1610. 先行感想 - ムヒョとロージーの魔法律相談事務所 第96条「小細工」

今週号の「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。未読の方は閲覧を控えて下さい。

帰還点
梅吉達を退かせた後に「帰還点」の設置? 恐らく誰もが疑問に思う描写だろうけど、退散〜帰還点設置の間、梅吉たちはどこに行ったんだ…。場所だけでなく時間までワープ? もしも毒島さんが帰還点を設置できなかったら、今井さん達は亜空間か地獄の彼方だった?

魔法律は術の鮮度が命です。ミック戦を前にトラックを止めた時、「帰還点の陣」を予め用意しなかったまでは、まだ整合性も取れるのですが。先週のやり取りの中で陣を描くのが、最適な演出じゃないかなぁ。


理緒先生が艶めかしすぎる件
てっきり理緒先生は連れて帰れなかったと思い込んでいたのですが、救出成功だったみたいです。そんなことより理緒先生の肉体が妙な色気を帯びすぎだ。今井さんの方が際どい格好なのに、色気の度合いが別格です。

苦しそうに悶えて困ってる表情を筆頭に、露出した肩や鎖骨はたいへん瑞々しく、何度もアップ描写になる禁魔の印はまるで女体盛りを思わせ、あまつさえ揺れては弾ける乳房の山脈は自然界の憤怒を彷彿とさせる。

後半なんてもう、顔を覆って泣き叫んで「いやああ…あっ あぁぁっ…あっ」ってなにこの強姦スレスレ漫画。オチの草野「獲ったもの全部返せ!!」ってスゲー意味深だよ。当の草野も、女の子の奪われた悲しみをすごく親身に理解できてそうで恐ろしい。


理緒ママ殺害事件の真相
理緒の母親殺害に禁魔法律家が一枚噛んでいた説は、その当時より指摘していた予想でした。しかしながら、今週の描写を見る限り、事件そのものに円は荷担していない可能性が見受けられます。ここが大きな注目点。

そもそも理緒は円の誘いを受けて禁魔に染まった(理緒の日記より)経緯があります。事件の真相を知る知らないで、円の罪深さは全く異なります。ティキの策謀を知りつつ理緒を誘ったなら、円はもはやティキの共謀者であり、情状酌量の余地無しです。六氷の言う「エンチューを救う」なんて目的が根本的に消滅します。

つまり、円とティキは「共謀者」なのか。円はティキに「利用されている」のか。この違いです。

そもそも円が理緒ママ殺害事件の真相を知っているなら、すぐさま自らの似た境遇と重ね、ティキの行為を怪しむはずです。ですから円は、この事件の真相を知らないケースであってほしい。そうでなければ、物語の目的が根底から崩れてしまいます。

西先生がそこんトコ、しっかり練り込んで描いているよう、切に願います。


円の母親もまた…
円の母親が「持病による急死」というのは、理緒に似たケースといえなくもありません。ティキは円の「才能」と「心の脆さ」に目を付け、彼の心の拠り所(母親)を消して、精神的な打撃を与えて追い詰め、協会を恨む忠実な手駒を得た……このシナリオは、深読みしすぎでしょうか。

今週のティキの台詞を読めば、円もまた(程度にも寄るが)「利用されてる」ように読めます。円を禁魔の呪縛から解放するのもやっぱり、ティキを絶対悪に仕立てあげ、円を『相対的な善者』にたらし込む手法なんだろうか。

これじゃパンジャや理緒と同じケースだし、さすがにワンパターンかなあ…。


泣き虫ロージー
まさかこんな中盤で理緒先生が救われるとは、予想だにしなかった! せめて主要パーティに優が居る時じゃないと、ドラマティックに救われないとばかり思い込んでいたもので。この後、理緒と優が合流して、六氷の新しい魔法律書を完成させる繋ぎになりそうな様子ですね。

で、せっかく理緒先生中心に『悲劇のヒロイン展開』を押し上げていたのに、最後の最後でベストヒロイニスト・草野次郎の乱入劇! 思いっきり見開きで、うるうるした瞳からぽろぽろと涙をこぼして美味しいトコ取りしやがったァ!

キミは毎度、他人の不幸話に首を突っ込みすぎなんだ!


切なげな表情の六氷を見逃すな
しかしながら今話、もっとも注目すべき場面は、伝説のヒロイニスト草野の隣でなんかものすごく切なげな表情になってる六氷に違いありません。なにこの表情! いくらなんでもエサ撒きすぎ!

キッサマァー! 草野ォォー! オレ達のツンツンした六氷返せ!! 全部元通りにして 返せ!!!