1602. 週刊少年ジャンプ - 49号
今週の感想はライトにいきます。
- 表紙はリボーン。この間D.グレとコラボしたばかりなのに、ペース早いですよね。アニメ化の番宣ではなく、純粋に本編盛り上げとして表紙を使ったのもレアケース。背表紙もリボーンが紛れてるし。集英社が死ぬ気でリボーンを売り出し中だ!
健闘枠: なし
特集枠: なし
日本に高飛びした9代目は、既に登場済みなのかな? 秘密裏に動くディーノの伏線は9代目絡みか? それとも9代目は、その風貌から学園の校長先生に扮してましたとか! 舞台を学園内で収めたがる天野先生なら、そんなオチもやりかねない。
「それでもワシは孫に愛されたいんじゃアホ!!」自由奔放すぎるガープにぞっこんです。ルフィ達がガープからどう逃げ延びるのかモヤモヤした自分が馬鹿らしいよ。CP9の存在を見知って倒し、エニエス・ロビーを滅ぼし、海軍旗を燃やして宣戦布告した大海賊。それを目前し、捕らえる実力もありながら野放しにするなんて、正気の沙汰じゃない! 最大の危機「ノリで片付ける」のが尾田先生らしい。Dr.ベガパンクの肩書き「科学者」は、いかにも仲間になりそうな肩書き。麦わら一味の科学者といえばウソップだから、仲間化は難色がある。「悪魔の実」と「海楼石(悪魔の実の能力を無効化)」は双方とも密なテーマなので、ベガパンクはいわば『悪魔の実の専門家』と呼べそう。彼(彼女?)が本格的に本編に絡んだら、いよいよ悪魔の実の様々な謎が明るみになりそうだ。「能力の伝達条件の解明」って話一つ取っても、『悪魔の実を複数食べられない理由』にこじつけられそうだし。
青キジとロビンの因縁から始まったW7編は、再び二人が語い『ロビンの救済』という形で完結。この終わり方を描くために、W7編の今までがあったと言っても過言ないかもなあ。バトルで間延びしなければ、もっと感動の純度は高まったハズで、その点だけがたいへん惜しい。青キジがサウロとの関係を過去形で語ったってコトは、今は亡き人なのかな。ここまで描ききったなら、今話は大人ロビンバージョンで「デレシ!」と微笑んでほしかったよ。それだけが心残り。
目が見えないのに監視モニターを眺める東仙さんの図がシュールすぎる。これは新手のギャグですか。ネルの役割については先週も論じたけれど、その一つに「退路の確保」があると予想した。だけど、もっと実務的役割として「虚界の解説」があるのか。例えば破面の数字についても、ネルが事前に「数字持ちは二桁」の情報を与えたからこそ、今週のサプライズに繋がるワケで。一見すると不要な非戦闘員キャラも、なかなかに侮れない。「十刃落ち」はなぜ階級を「剥奪」されたのかが、今後の論点。実力だけの話なら、一度は十刃入りする程の能力だから、そのまま二桁にスライドすればいい。すると次点の可能性は、藍染様の命令や思想に背いて離反した破面、という説か。ドルトーニのコミカルさを見ても、妙な友情を築いた後、一護らと共闘してもおかしく人柄だし。
だけど藍染様は鏡花水月を使えば催眠で完全支配できるんだよね。そう考えると、やっぱり離反の可能性はゼロに近いようにも思える。離反してなお虚夜宮に棲んでる、ってのは、藍染様の懐の深さを考えればあり得そうなんだけど。結局「剥奪」システムの必要性は判らず終い。よもや、新たに強い破面が誕生すると、それ以下の破面全員の番号を書き換えるのが面倒だからという地味な理由だったら切ない!
扉絵のレトロな色調が素敵。魔界の音楽に聴き入るネウヤコの一場面も含めて、このイラストは和むなあ。本編は、ベッドに寝転がり気怠く疲れた様子の弥子がセクシー。制服のリボンを外してシャツの影になってる胸元は、ToLoveるよろしくコミックス版でブラチラするんでしょうか。弥子が被ったガソリン伏線は言い訳で消化! 本編に生かし切れず、今まで持て余してたんだろなあ。アヤは登場する度に頼もしさが増してるね。看守も完全に手懐けており、自分の身を守るだけなら彼女ほど安心できる存在もいない。一度は孤独を望んだはずが、結果的に弥子に慕われ、打ち解け、(看守も含めて)徐々に孤独ではなくなっているアヤ。未だ「一人だけの世界」に未練がある様子の彼女を見ると、少し不安にもなります。『犯人の動機はシンプル』というヒントを得た弥子。これはなにもHAL編に限ったことではなく、本作品に共通する一種の『ルール』なのかもしれませんね。
「一杯おごる代わりに…一発ブチ込んでもいいかね?」(ヌウッ)
スーパー早坂ブラザーズの巨大キノコが、ネウロのパックンフラワーにパックンされちゃうゥ!(ごめん書いてて意味がわからない。)
近頃の家政婦キャラは大体において「悦子さん」と名付く。様々な作品で「悦子」の文字列が踊るたび、市原悦子が現代社会に与えた影響力ってのは絶大だと痛感します。『玉子割り器』という無駄すぎる器物が面白くって、これはかの『ハミクレーン』に匹敵するよ。今週は全編通して漫才染みた台詞回しが絶妙すぎました。前回までの合コン編やハードボイルド編もそうだけど、現在の空知先生はギャグの切れ味が凄まじいね。「あがつたずぼろろ くされまぐろばろみ」は「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲」と同じく、長らく記憶されて然るべきフレーズだ!
冒頭のB級ホラーCM、ガンダムパロ、世にも奇妙な物語のBGM、冒険の書が消えたSEなど、これらがアニメ化になったらどこまで美味しく調理されるか、期待に満ちあふれます。銀魂のアニメスタッフって、この手の期待を裏切るどころか、暴走が突き抜けちゃうもんな。
その一方で、刺さったままの五十嵐くん、大人の権力を最大限に行使して幼心を支配する鬼コーチなど、今までのコミカルな雰囲気も崩れない。いよいよハンドボールの特質やノウハウを交えたスポーツ面の描写にも期待を寄せる…一方、板倉先生は次週もハンドそっちのけで、コメディパートが加熱しそうだ。クールに登場したレギュラー達だけど、彼らも「九州男児」に並ぶ独特の個性を秘めてそうだもの。4キャラ増えたら4話分のギャグ漫画は描けそうなポテンシャルを秘めた板倉先生、恐るべし。
コーチのチカコさんの怒り方が上手で感心した。ニコニコ童顔フェイスが唐突に大人の顔へ戻ることで、単純に怒った表情を見せるより恐怖を与えることに成功してる。定量化して例えるなら、(素の表情)0→100(憤怒の表情)の差分値と、(童顔で満面の笑み)-200→0(素の表情)の差分値では、後者の方が振り幅が大きい。大吾、ミズキ、西岡父、五十嵐、チカコさんと、ここまで個性の見せ方が上手い。
マスクの特訓は枠外に「※彼らは特殊訓練を受けたプロの人達です。素人は危険ですので絶対に真似しないでください!」と注釈を打たなくて大丈夫なのかな、と心配になった。マスクが乾かぬよう絶えず水を掛けてるみたいだし、さすがに窒息死しそうだけど…。過去、身長差に泣いたどぶろく先生が、今になって唐突に、長身の桜庭を意識するというご都合主義もなんだか。せめてエベレストパス登場あたりから、長身対策の伏線を仕込むべきじゃなかったのかな? とか言ってると既に仕込まれてるのがアイシールド21だけど。今回ヒル魔は「切れるカードは出し切った」と明言されているから、そういう仕込みも無いんだろうな。雪さんの身長は生かせないのかな?
そもそも、最近掲載順が低迷しているムヒョロジが、二周年というだけで巻頭カラーを飾るのも疑問に感じるところ。せいぜい表紙+センターカラーだろうと諦めてたよ。これはやはり、おっぱいの力に他なりませんね。
包帯のみで身をくるんだ今井さんと意識のない理緒先生をベッドに並べ、両腕を手錠拘束し、ヤケにおっぱいを強調する姿勢とアングルを多用する西先生。かと思えば、梅吉が傷付く度に悲痛な表情を浮かべる毒島さんの胸元はゆっさゆさと巨大なおっぱい。困ったときはおっぱいの力なのか! これじゃあ根本的な戦略はToLoveると変わらないよ! これが「おっぱいの肉体契約」なのですね。バンザイ巻頭カラー。
主人公をツッコミに沿えて、周囲の奇人奇行をめった斬りに突っ込みまくる姿勢はうすた先生的。非常に感情移入しやすい。主人公はたまにノリツッコミ的ナレーションをこなし「意外性」を発揮するタイミングも上手。31ページという長丁場なギャグ漫画でありながら、平坦な印象なく最後まですんなり読み込めた。
捨てキャラがいないのも好感触。どのキャラクタにも一癖あり、サリー、ソフマン、白影、ゼロのそれぞれに読後語るポイントが生まれているのが秀逸。書き出すときりがないけど、サリーの回想編や、ソフマンの唐突な死亡フラグは中でも記憶に残るボケだ。ギャグでありながら、絵柄が冨樫先生に似ているのも雰囲気あるよね。これは大石先生危うし!
- 扉ネタ
- ふんどしの需要を舐めているとしか思えません。オレも持ってますからねふんどし! 今や女性用ふんどしまで登場する大躍進っぷりですから、むしろ女性読者の方がフンドシは喜ぶんですよ。ジャンプファンなんかやってる女性読者なら皆さん、彼氏にプレゼントしてガチで着用を強要するハズですよね!
- バカ彦くん
- 「なんでバカ彦くん基準なの!!」やはりつかさ君のツッコミの鋭さは、只者じゃあない。読者全員が抱く蟠りを、たった一言で的確に表現した台詞ですよねこれ。それはそうと兄彦さんの完成された筋肉が美しすぎます。
- バカップル・CAN YOU CELEBRATE?(13)
- 今週はヤマなしオチなしイミなしでお送りしました。しかしながら、たもっちゃんのズボンの破れ方が破廉恥すぎて。イケメン・氷室さんは意味深に巨大な竿を握ったままで。これがホントの801マンガ。
並のギャグ漫画は、どんなに頑張って読者を笑わせても、満点は「100点」なのだ。それ以上の評価は実質不可能。100点はイコール「神」の称号も同然だから。対してテニスの王子様は、『一発の破壊力』こそ100点と言えようが、他のほとんどの描写は空気に近い。いいや、空気なら「0点」だけど、テニプリの場合は”直視できない”だけタチが悪い。最悪「-100点」の振り幅がある。
HAND'Sの感想でも同じ事書いたけど、許斐先生はこの、マイナス単位をも計算に入れて、ギャグを書いている節がある。通常の漫画家はこんな描き方をしない。ボロを出せば叩かれるし、ジャンプの場合は打ち切りの危機すらあるのだ。しかし許斐先生は敢えて、通常状態をマイナス評価に身を置くことで、『一発の破壊力』を擬似的にも「100点」以上の効果に誑し込むことに、成功してるんじゃないだろうか。つまりテニプリのギャグは、相対的に「最大200点」の評価を獲得できるわけで、これが話題作にならない方がおかしいのだ。
先週の闇鍋感想に次いで、最近のテニプリは『物語至上主義』読者の立場として、たいへん考察意欲をそそられる。次週も楽しみだ。
あっれー、二話分で終わっちゃったよ最終試験! 先週の三次試験はじっくり描きすぎで、期待させすぎだよ叶先生、ズルイ! ここを見せ場にクラスメイトの充実を図って欲しかったなあ。だけど今回の試験を通して、ある程度の顔見せや補強はあったように思える。試験編をダラダラ進めても飽きられる恐れはあるし、切りの良い締めくくりにはなったのかもね。柊先生の登場で安心したのも束の間、途中退場で余計に読者を焦らせたりと、シナリオ上で緊張の起伏を上手いことコントロールできている。最終的に九澄がエムゼロを発動させたのはチョット残念だったけど、『魔法以外で解決しようと奮闘する姿』は毎話興奮を覚えます。九澄の発想力や洞察力は、魔法の存在をも超越する。
エム×ゼロは魔法漫画でありながら、魔法空想によって子供達に夢を与えるのではなく、逆に『アンチ魔法存在』を唱え、魔法が無くても十分活躍できることを見出しているのが新しい。こんな魔法モノの物語、未だかつて読んだことありませんよ。ホント大好きだわあ、エム×ゼロ。
ヒロムの動体視力に、今は肉体、技術が共に追いつかない。だけど今回、肉体面は我が身を厭わず、技術面は眞白のサポートもあり、ついにピンポン球を捕らえることができた。十吾のスマッシュを受け止めることが出来た理由付けは、考えてみると確かに汲み取ることができるようですね。
「口惜しいと思える人間だけが強くなる」川澄先輩もまた、その様な過去を胸に這い上がり強くなったクチなんだろね。だけど病室抜け出しての特訓はマイナスイメージかなあ。今のヒロムに絶対的に足りないのは『体力』で、それを補うためには走り込みしかない。だけど漫画でマトモにそれを表現すると、途方もなく地味な作業で、P2がいまいち派手になれないのは、そこに起因するんだろう。
- 【一番印象に残った台詞】「重いから この手足ももいじゃいましょうよ!」
日曜夜から月曜朝にかけて八割仕上げたのに、残り二割は金曜夜にならないと書けませんでした。おいおい、今はまだ11月だぜ…? これで師走に入ったら、オレはいったいどうなっちまうんだ…? 次週は平日も感想を書けるよう、仕事ガンバリマス...。