1431. 絶対に見えない魔力

「1430. 隠し味は想像力」に関連する記事。

つまりこういう話なんだ。

今日あなたは、対象物A(彼女など)のスカートの奥の目標物B(下着の形・色など)に予め知識がいる。今日は待ちに待った、対象物Aとの遊園地デート。ゴーストハウスなど、暗がりのアミューズメント施設に訪れた。対象物Aがあなたの手をきつく握り、あなたは対象物Aを安心させようとその手を優しく握り返す。二人の絆が、愛が、繋がりが強まった瞬間だ。

しかしこの暗闇。あなたは目標物Bはおろか、対象物Aの形状を視覚する隙もない。しかし同時に、あなたは目標物Bの形状を生々しく想像する力を備えている。人は時として想像力だけで、本来以上の素質を解き放つことが可能なんだ。

あなたの脳内が目まぐるしく活動を開始する。二人の周囲は黒の世界。あなたの頭は桃色世界。いつしかあなたの脳内には、対象物Aに本来備わるポテンシャル以上の目標物Bが築き上がる。それは時として危険だが、場合によってはとても幸せなことだ。

やがて大人になったあなたは、対象物Aの目標物Bに見慣れ、飽きてしまうことだってある。しかし想像の産物は風化しない。思い出の中でしか存在し得ない目標物Bが、十年後も脳裏に残るのだ。

見えない障害は時に、見えない認知物へ、計り知れない物理量エネルギー*1を授与する。これはサイエンスである。

ONE PIECEのナミさんを筆頭に、21世紀に入った昨今は「絶対に見えない魔力」の活用力が目覚ましい。D.Gray-manのリナリー、魔人探偵脳噛ネウロの弥子、太臓もて王サーガのあいす、ピューと吹く!ジャガーの高菜さんなど、『スカートなのに見せてない女性キャラ』に備わる物理量のそれは、連載が長期化するほど強大に育まれる。彼女たちの更なる活躍に、今後とも期待しようではないか。

だからオレは『絶対に見えない探求者』の第一人者として、この諸説を唱え続けよう。見えないまま死んでいきたい。そして死んでも死にきれず、死の淵から再び息を吹き返す男に、オレはなりたい。

繰り返し警鐘しよう。これはサイエンスである。

*1:力学的仕事を基準とし、これと同等と考えられるもの、あるいはこれに換算できるもの。力学的エネルギー(運動エネルギー・位置エネルギー)、熱エネルギー、電磁場のエネルギー、質量エネルギーが代表的なもの。