1406. 先行感想 - DEATH NOTE page.102 「我慢」

WJ感想書いてたらDEATH NOTEの感想が思いの外膨らんでしまったので、先行感想に代えさせて頂きます。


これまでのおさらい
月の種明かしは概ね以前述べた通り。それに加えニアの策を言及したのが嬉しい点。『ノートの細工』と『ページ構造』の関係から、様子見と対面の日取りを決めたというギミックは素直に感動。普段からノートを使ってないと思い浮かばない案だわ。

ことミステリは「策を明かさない側が勝つ」ジンクスがありますが、第一部はその法則性を破り、裏の裏を突いた意外性で盛り上がりました。今回も第一部同様、月がストレートに勝利を収めるのか? 否、ニアは今回、敢えて月のシナリオに乗ったと考えられます。


「キラのシナリオ」に乗ったニア
魅上の不審な行動・失態を怪しんだニアは、直ちに「キラのシナリオ」を直感した。キラのシナリオを考察するうち、その筋書きは『ニアがノートに細工して対面の日取りを決める』ものだと察知する。そこでニアは、表向きは月の手のひらで転がるよう振る舞う。一方で裏向きは月の想定外な細工を施したとすれば? ニアの勝算は、これしかない。その”細工”とは、本物ノートに対する裏工作に他ならない。

月が語った通り、ニアが勝利するには「ノートを試す」しかなかった。そして実際、裏向きのニアはノートを試した。偽ノートの検証から「キラのシナリオ」を確信すれば、ニアが次に手を打つべきは『本物ノートにもページ差し替えを行う』しかない。現在、魅上の手中にあるのは確かに本物ノート。しかし、ニアの裏工作が決まれば「名前を書いた部分だけはニアの差し替えページ」という状況が生まれます。


本物ノートの細工は可能か?
偽ノートでは『使用以後のページを差し替え』ましたが、本物ノートは『最新ページ1枚だけを差し替え』るだけでいい。魅上は律儀な性格さ故、埋まってるページの直後からノートを使い、中途半端なページから書き始めないからです。1ページ分だけの偽装なら、さすがの魅上も発覚は不可能ではないか。そして、偽装のタイミングはここ。

【page.100「対面」】
ニア「ジェバンニ 間に合いますか?」
ジェバンニ「はい 大丈夫です」

高田・メロ死亡後の1月26日〜28日に掛けてジェパンニが本物ノートに裏工作を行ったに他ならない会話、と推測できます。

ニアは、高田とメロの死亡をキラの殺害と確信(決めつけ)たでしょう。高田を焼身する事に躊躇がない、つまり高田は本物ノートを所持していなかったと判断できます。この瞬間、的は絞られました。本物ノートの在処は魅上。

魅上の生の行動を一番知っているジェバンニが偽造を実行するのはごく自然。魅上は偽ノートを持ち歩いてますから、本物ノートは魅上の自宅にあると推測するのも自然でしょう。

問題は魅上宅の厳重な監視カメラですが、このあたりは次週「ニアの裏シナリオ編」で明かされると妄想。肝心なところは本編に丸投げでごめんなさい。石を丸投げしないで!


残り三秒
デスノートは人前で殺人するに不向きなアイテムです。今回のように、銃口を向けられる状況には、非常に脆弱。残り三秒で、あんなにわっるい顔で登場した魅上。SPKの誰かがピストルの引き金を引いたら、一体どうするつもりだ。

ジェバンニ「す、すみません! ついうっかり指が滑って…。アイツ、まるで悪魔みたいな顔して…。私は、あんな魅上を見たのは初めてでした。いつもの魅上はクールでニヒルで笑わない、寡黙なヤツなんですよ。アイツのこと、他の誰よりも私が一番分かってる。悪魔の化身となったアイツを、だからこれ以上放っておけなかった! アイツは本当は悪魔なんかじゃないんだ!! でも、フフッ……綺麗じゃないですか、コイツの死顔…」

ジェバンニが魅上に感情移入して、本編が大亜門先生みたいにBL転向したら、一体どうするつもりだ。