1353. 執事喫茶の戦略
「1224. 使用人カフェ」の妄想記事が、わずか二ヶ月半で現実化。
妄想記事中で最たる難を指摘した「雇用者」の問題は、女性が演じることでカバー。男性が執事を演じると、様々な面で無理が掛かります。この喫茶サービスの大前提として、「1. 店員は客の趣味に理解がある」「2. 店員はイケメン相当である」「3. 店員は接客に紳士である*1」という条件が必要です。しかし、現実にその様な男性を一定数揃えるのは難しい。例えばホスト業に近いサービスを想定するとして、『イケメンが女性オタク趣味を理解している』という前提がありえません。百歩譲って、イケメンに女性趣味を教育できたとしても、その男性が特定女性と付き合うなどして辞職したら、経営陣側には大打撃なのです。
使用人カフェの「矛盾」
以下に、使用人カフェが夢のまた夢であった、経営者側視点からの矛盾点を書き並べます。参考資料程度に読み流して下さい。
- 店員は客の趣味に理解がある
- 店員はイケメン相当である
- 一例を挙げると、イケメン男子+メガネ=「メガネ男子」。キモ男子+メガネ=「メガネくん」。
- この手の趣味は醜美にシビア。
- 店員は接客に紳士である
- 女性に安心してカフェを訪れて頂くための前提条件。
- 男性は女性に手出し不可。(執事=紳士)
- 男女間のトラブルなどで店員が辞職すると店側は大打撃。(後記)
- 法的手続きの問題
メイドカフェとの相違点
以上より、男性が演じる「使用人カフェ」は、『腐女子趣向を理解したイケメン』という希少すぎる存在こそが最大の財産です。なぜなら、使用人カフェの接客条件に適うサンプル男性が、極めて希少だからです。
ことメイドカフェに関しては、接客条件に適うサンプル女性が豊潤です。「アイドルの玉子」「声優の玉子」「潜在的腐女子の素人女性」「元風俗上がり*4」など、多くの女性がメイドを演じてみたいと望みます。店員候補の供給が溢れ、まるで慢性的デフレ状態です。結果、店員を揃えやすいメイド喫茶は「萌えブーム」の煽りも受けて開業しやすく、爆発的に一般社会へ広がり、深く浸透しました。
いくら需要のあるサービスを確信しても、「使用人カフェ」は店員側の供給が追いつかないのです。顧客需要と店員供給のバランス感を考えれば、秋穂さん(この記事)やイノウエさん(この記事)がイチオシした「武将喫茶」の方が、よっぽど現実的に開業できます。
それら欠点を払拭した一手こそ、「女性が接客する」アイデアだったのでしょう。加えて池袋で開業・運営すれば、需要の安定度も格段に高まります。やはりホンモノの実業家さんは、「アイデア」だけで走らない。欠点・弱点をカバーする理由付けまで計算し尽くして、やっと開業ゴーサインを出すのだから。
それでもやっぱり期間限定の開催。商売事って慎重にやるものなんだなあ。