1253. 先行感想 - 氷姫奇譚(河下瑞希・読切)

河下水希先生、最新の読み切り。オレは河下先生の漫画とよっぽど相性が悪いんだな、と痛感。河下先生の漫画全般が好きな読者様は、この感想を回避願います。


こちらのコンディションの問題はあったかもしれませんが、読んでる最中に三回も居眠りするほどつまらなかったです…。単に集中できなかっただけかも? …どちらも意味合いは同じか。レーダーチャートの評価基準はこちら(過去の評価一覧も)。

氷姫忌憚

『氷姫忌憚』の読後印象。その内心を包み隠さず正直に書きますと、多少なりに期待していた分、ドキツかったです。うーん……いちご100%好きの方には、パンチラも萌えもあったし、十分満足できたのでしょうか?

画力(5)
 画力に関しては期待以上。きめ細やかな肌の質感、柔らかそうな女体が描けていて、男性の性欲をそそる魅力的な肉体が描けています。時間をたっぷりとった分、背景や衣装、小道具の描写もスッキリ綺麗で、イラストが見やすかったです。
物語(2) キャラ(2)
 ありふれた題材。ありふれたラブコメ。ありふれた人格転換。使い込まれた題材を、いちご100%の「真中もどき」と「外村美鈴もどき」と「ケーキ屋のおばあちゃんもどき」でキャスティングして小料理した同人誌…としか評価できません。ま、オレの頭が固いだけです。
読後感(2)
 物語は「イベント主導」で話が展開するタイプ。真中宜しく奥手な性格の主人公は、危機迫るイベントに背を押され、受動的に行動する。そうした行動が幸運にも事件解決へ実を結ぶ。これぞ元祖・河下テイストの作風。
 しかしながら、このタイプの主人公は「成長」を描ける長編モノだから、アリだったように思います。短編でこれをやっても、堂島は受け身な妄想癖男という印象ばかり根強く残るだけでした。読後にも主人公の魅力が思い当たらず、すっかり幻滅されられました。
構成力(4)
 オカルトと恋愛の両面を同時並行で進展。河下水希作品的には、今までで一番無理のない進行を描けていたと感心しました。起承転結整っており、バランス感もあります。小夜が高峯に三度も乗り移った所為で、高嶺本来の魅力が十分に引き出せなかったのは実に惜しい。高嶺の本人格は、小夜の引き立て役でしかないのか!

暴発
過去、id:mezakuroさんより正式認定を譲り受けた『暴発鑑定士』資格。河下先生作品無き今、暴発資格も奮い納めかと思っていた折、このタイミングで読み切り投入。今再び河下先生の暴発鑑定士として、捜査のルーペを覗き込もうとは…。これほど嬉しいことはないですよ!

暴発1 - 『薄い所が危険です』
小夜「堂島様」
(小夜、堂島の腕をギュッと抱く)
小夜「あまり遠くに行くと氷の薄い所があって危険ですよ」
堂島(き……)
堂島『ド ク ン』
堂島(キターーッ!!)「そっ、そうなんだ……」
鑑定:ドクンドクンと天に召された直後に『キターーッ!!』と思考。微妙なタイミングのズレがいやにリアルすぎます。
暴発2 - 『青空の下で』
堂島(だけど一体全体なにがどーなってんだ……!?)「はっ」
(小夜、堂島のジャケットのチャックをジーーッ、っと全開に)
堂島「ぬあ!?」(かああぁぁ)
堂島(ちょっとこんな青空の下で!? 待ってよ高嶺 今気温マイナス…)
(小夜、堂島に胸を押し当てる)
小夜「思ったとーり」(むきゅ むきゅ)
小夜「こーしたほーが温かーい!」
堂島『ピーーッ』
鑑定:胸の押し当てだけで二連打。さすが高校生童貞くん、超ウブ。
暴発3 - 「固まってしまいました…」
小夜「あら? 堂島様 突然固まってしまいました
堂島『カチン』
鑑定:男性の所持するさなぎポケモントランセルは「かたくなる」特技しか使えないんだ…ッ!