1101. 週刊少年ジャンプ - 42号

旬を逃したので、今週は二行感想に略式します。←どこが二行感想やねん!(感想後追記)

表紙
 銀魂。片膝立てて拡声器で怒鳴る泥臭いスタイルが、これぞ銀さんと感じさせます。ヒロインの座を守るのにどうして大根抱いてんだ神楽、天然勘違いで可愛らしさを演出したつもりか神楽。で、新八がどうしようもなく地味…ある意味キャラを表してる…。
家庭教師ヒットマンREBORN! 人気投票
二位のツナがメラ格好いい。本編でツナがこんな表情見せたら、ツナの成長が完了して最終回になってしまうよ。だからこそ扉絵でしかお披露目できないイケメンツナなのでした。五位のランボにマジため息、はあぁあぁぁ…。ヒロインの京子がコロネロに敗北は笑った。ヒロインなのに300票も集められないのかー!

健闘枠: なし
特集枠: ①'clock

* 1(7) 銀魂
「コツン」「舌出し」「照れ笑い」「やや下向きの猫耳」の媚びまくり萌えコンボに対し、同性の熾烈な嫌悪リアクション。こんなネタ、今のWJじゃ銀魂でしか読めません。萌え漫画主義の風潮に強烈なアンチテーゼを放った! オレも正直”萌え系”にはほとんど関心がなく、業界が”萌え”で溢れる現状には苛立ちさえあったほど。それだけにスッキリできました。

少し前に「コピー忍者」の二つ名を掘り起こした伏線を早速解消。なんと「万華鏡車輪眼」すらコピーとは、車輪眼能力の真骨頂に恐れ入りました。ナルトが螺旋丸を放つコマが、これほど小さなコマ扱い(12P3c)。大玉螺旋丸でも見開きは見込めなさそうだ。新技投入の予兆ですね。

* 3(5) BLEACH
大食漢もとい大食猫の夜一、顔中に散った米粒が(食事の)戦況を物語ります。一護も織姫も辛い気持ちを表に出さず、外面を取り繕ってやり過ごす、いわば似た者同士。二人の気持ちが通じ合うには時間が掛かりそう。たつきもこの様子は、一護達の一部始終を察してますね。死神達の学園乱入は、まゆげの人だけ人間界的に無理があるぞ。ルキア再登場、まずはヘタ絵勢力図解をお願いします!

* 4(3) ONE PIECE
やはり仲間は見捨てる主義のMr.3、ここまで想定通り。どうやら策謀高い設定らしいスパンダム。CP9メンバーも「政府公認で殺しを楽しみたい」思想でのみ繋がってる。今話でCP9の結束理由が単純化された印象です。「海に捨ててやる!!!」ってその程度じゃ悪魔の実の能力者でさえ生き残るから! ワンピの世界ですから! せっかく殺人集団が部下なのに、なぜ海に捨てるのか解せん。ルフィとブルーノはこのままバトルにならない気配も。

仮面ライダー555が大好きな読者にはたまらない一話となったハズ。首領パッチの530フォルムにマジ痺れた。シルエットのエビフライとライダーキックに何の共通点も脈絡も無し! 最終回に向けてまとめに入ってる雰囲気が漂います。まさかの円満終了もありうる?

並中ランキングは以前の予想が的中の様子。ツナの死ぬ気弾暴走が逆転の引き金か。ビアンキが想像以上に弟思いな姉で、今までのイメージが改善。だけど、並中生でもないのに一緒に殴り込むのは勘弁して。結局いつものパターンに戻ってる気がする。フゥ太は首謀者に荷担と思いきや、人質か…。順当なポジションに収まってガックリ。

「パフォーマンスのプロレス」など、様々な視点から「殴り合い」の思想や表現に発展させるのは、なかなか良識な切り口。スポーツ競技のように『楽しむ』タカヤと、『美学』とする安藤の、主義のぶつかり合いをバトル中で表現すれば、他の漫画と一風変わった面白さを見出せそうです。これを今後の独自路線として定めてもいいのでは。

無意味かつ強引な展開で銭湯で裸の付き合い。あまりに唐突ささえもギャグにしていて、逆にありだと感じます。鈴音とセナが双方を思い遣る反応はすごく意味深で、これは情なのか恋愛なのか。現段階では限りなくグレーゾーンで、それが余計に甘酸っぱいよ青春! 最終局面までグレーのまま引っ張ってほしい。甘:酸の恋愛比率は2:8でお願いします。

それはそれとして鈴音のウェットな色気が強烈でした。普段元気な娘が、濡れてしとやかな表情で真面目に語ってると猛烈な色気が際立つなあ。ヒル魔の一言で、赤羽=真のIC21説はほぼ消滅か?

こちらも半濡れウェットな霊が色っぽ…くねえェェ!! タコのような形相の霊が様々に変形する奇妙さがなんともキモい…。初めて六氷以外が魔法律を使った(キメ台詞はフォントまで変化!)ことで、本来の魔法律は発動まで非常に時間が掛かる事を示唆。五嶺と恵比寿の言う「チーム力」も、そういう意味では納得できました。草野の「ムヒョの方が…すごい…!!」は当然の異論だけど、この台詞は自身の立場を余計に貶めてた感さえあり、今後暫くは、また草野が精神的に不安定な日々を送りそうだ。

五嶺は一般人に紳士と思いきや金のためか。ここまで六氷との反面描写が重なれば逆にすがすがしい。五嶺六氷事務所をグループに吸収する目的で動いた様子。今のところ円絡みのイベントではなく、このエピソードが単独であることを意味しそう。

花の慶次、ARMS、スポポビッチのコンボでロケットスタートが効いた。555の主人公『乾巧』とブレイドの始さんを掛けて乾一か。変身後の股間のわんちゃんがキュートすぎます。オチは1.5P使って大々的にジョジョパロで、鬼のような笑いのラッシュに悶絶しました。何と言っても間の繋ぎ方が絶妙です。

* 11(11) ①'clock(第二回J金未来杯 エントリーNo.6)
レーダーチャートの評価基準はこちら(過去の評価一覧も)。
①'clock

画力(3)
 まだまだ発展途上。線が多いのか泥臭いのか、人物画をもっとスッキリさせた方がスムーズに読めそう。大人モードのワンは金田一少年ダメだよ他紙と被っちゃ!
物語(4)
 世界観や設定はおおよそ固まっているものの、それら細やかな設定に流されることなく、作者の描きたかった『少年の成長』を描き切った良作。念頭にあった描きたいモノを描くべくして生まれたと言えよう。壮大な時計の設定はあくまでもサブカテゴリに留め、今作は『読み切り作品』としてテーマを一貫させたのは偉い! 惜しむらくは、様々な面で設定がありがちな点…。
構成力(5)
 余命短い少年が「みんなと遊べなきゃ意味ねーじゃんっ」と永遠の命の価値を切り捨てながらも、友達や母のために覚悟を決して字盤と契約。これに至るまで主人公の過去と思想が丁寧に描かれているから、揺るぎない『覚悟』にも十分納得できました。特定人物の成長を描かせると化けそうな作風です。それはそれとしてネーミングセンスが抜群に恥ずかしい。1時だからワンって、これじゃ文字盤の所持者(候補含む)は名前でバレちゃうよ。
キャラ(4)
 少年の成長にスポットを当てたためか、脇役の印象が心なしか弱い。少年ワンの成長フラグである母親や、前向きな性格の起点にある父親。両親の設定はある程度固まってるんだけど、設定の100%を出し切れていないもどかしさを感じた。
ギャグ(1)
 ギャグが全くないのは、連載化したとき息苦しくなりそう。現にカインや切法師はそれだし。長期連載漫画には何らかの笑い・ギャグ・微笑ましさがある。それが作品全体の魅力を引き出しているので、ぜひとも笑いのパートにも入魂して欲しいところ。
読後感(5)
 覚悟と決意を胸に成長したワンが、『早送り』能力ではなく本当に「絶対大きくなってやるー!」と誓ったラスコマは輝かしい。反面、永遠の命となり今の姿から成長できない哀愁感が絶妙なスパイスになっています。

* 12(18) Mr.FULLSWING
作中一貫していた「猿野が凪さんを甲子園に連れて行く」テーマが完全崩壊し、個人的には激萎えした今話。これじゃあ、猿野じゃなくて理事長が凪さんを甲子園に連れて行ったことになるぞ。代表選手の入れ替え有りとは言え、あれほど伏線で引っ張った子津が代表漏れはあんまりだ。作品全体が崩壊してるやん…。読んでて痛々しかったです。

明神とガクの衝突が手短に終わって安堵。でもガクの渾身の一撃は、趣味として受けなくて良かったのかな明神?(過去に受けたことあるんだろうけど…) 限りなく陰魄に近いガクの描写が印象深い。ここまでインパクトを残すとなると、ガクの今後に何らかの伏線となりうるか。廃墟には陰魄が複数体いる様子なので、明神やガク以外にも、陽魂組の活躍があるのかな?

* 14(10) DEATH NOTE
模木さんが二代目L(=キラ)だったらと、ビンゴの可能性を警戒しつつ、二代目Lと通信してLではないと確信するシーンは高評価したい。こうした細かいポイントで小賢い仕掛けを重ねると、『知略戦』が言葉だけの作り物からリアリティあるものへ昇華されます。

MNの連携プレイにより、月の立場は第二部以来最大の危機に直面。寡黙な模木さんは決して口を割らないだろうけど、月がニアのペースを崩せなければ、捜査本部は確実に月を疑う方向へ流れてしまう。早期に手を打った月はキラの使徒を使って反撃。これで「二代目L=キラ」を確信させてしまう。

二代目Lの正体を知られたら負けとなる月。顔を見られたら死ぬメロ。使徒に追い込まれ絶体絶命のニア。三つ巴のシーソーゲームも、三者共に崖っぷちギリギリまで追い込まれましたね。

手塚公開リンチの回。ボウシゴリラの人の目が田仁志くんの目と完全一致! 同じ九州だけに生き別れの兄弟ですか。「全国区ってそんなもんかい!!」と豪語するボウシゴリラの人ですが、彼には必殺技すら与えてもらえません。許斐先生の筆は無常なり。「ゲームセット…… ウォンバイ大丸6-0」ってアレ…? 審判いないのに、これ誰のセリフよ?

女子高生の供述は嘘で、「ぶっちゃけたい本能」が伝染したと推測したんだけど、別段そんなこともなく普通に笹塚さんが格好いい回で終わってしまった...。「目潰し目薬」って目薬じゃないですから。目からビームの弥子のポージングが最高にキマってるぜ。若奥様が旦那以外の男から「オスワリ」を命じられペタンと座り込む画に、とてつもないエロスを感じた。エロイ人だ松井先生。

* 17(19) HUNTER×HUNTER
(05/09/23 20:19)誤字指摘により指摘箇所を訂正。

『TUBE』をラモウモラウの友達の能力と因縁絡め、人情深い彼の感情を沸き起こした。ヂートゥ戦とは反転して、完全に感情むき出しのラモウモラウさんが真新しい。念能力ではなく単純に「肺活量」だけで渦波を攻略したのも斬新。基礎能力だけで必殺技を打ち破るのは熱いなあ。

レオルが部下の二人を活用しない所を見ても、まだまだ小手先だけで戦ってますね。部下をどのように絡めて戦略立ててくるか見物です。

* 18(17) D.Gray-man
じんましんの描写は、画力が絶品なだけに妙な妖艶さが働いて必要以上に気持ち悪いよ! イノセンスを生かすスタイルになっていないと結論付けたことで、単純に「死の淵から蘇ってパワーアップ」という従来の型から逸脱した形で、アレンの成長が読めそうです。過去にもアレンのイノセンスは形状を変化させていたので、論点に『スタイル』を収束させたのも納得の内容でした。

うんちく路線が続くこち亀が大好きになってきました。こういう時は、連載順が伸びても良いと思うけど…。金儲けのオチを使わず、目一杯にトンデモ路線へ突き進んだだけあって、徐々に電気の節約に走る滑稽な様をじっくりと楽しめました。車が水没放電しても車内には電気が流れない「静電遮蔽」をさりげなく描き切った秋本先生は、真のうんちく博士だ。

* 20(21) 切法師
早くも過去回想、そして姉上&大先生の再登場とあって、着々と締めの下準備が進められています。味方より敵の幹部の数の方が残ってるよ! 思いっきりバッドエンドやんけ! 泥をはじき飛ばす火術、剣の軌道に隠す槍など、非常に地味だけど戦略ありきのバトルスタイルは共感。いかにもWJ的に、額には紋章が隠されてました。ダイの大冒険? 右手と左手に逆属性の魔法を保持して融合させてメドローア

倫太郎究極のキメ技の見せ方が美味い。通常コマを縦に抜くと話の流れが遮断されるので、敢えてラスコマを使ったのか。雷の表現を縦に抜いた演出は、必殺技の威力を壮大に表現するだけでなく、神々しさすら感じさせます。

* 21(20) カイン
切法師縦読みを戻してカインのページを開いたらカインが逆さまになった罠。くっ、これは切法師がライバル漫画を蹴落とす戦術!? さすが戦略漫画・切法師どっちも打ち切りだけど。本編は、今週ぽっと出のキャラが、六旗将の二人を一話にして潰すという大活躍…! カインですら弟の命を獲るのに六話近く費やしたというのに! 侮りがたしエンウン。

本編全部がバビロン神に乗っ取られた。「堪忍袋という名の宝石袋」というフレーズが、読後数日おいても未だ脳裏に焼き付いてます。早くもWJ界の流行語大賞にノミネートしたい一語。「怒りのジュエルでパンパンだぜぇ!!」に撃沈。アニソン&スペツナズが徐々にM男っぷりを暴露していく様も、最近のジャガーさんはこういう路線なのね。この変態っぷりが大好きです。


読者コメント

  • 空知先生
     考えが詰まった時は、場所を変えると脳が別の記憶の引き出しを開き出すので、発想がひらめきやすいんだとか。
  • 稲垣先生
     コミックスのオマケっぷりを考えると、『ファンブック』なんて名付く本にどれだけの過剰サービスを発揮するか、きっと想像を絶するんだろうなあ。
  • 許斐先生
     くそう、許斐先生が普通のセンスでモノを語ってるなんて…許せないッ! 秋刀魚食いたいッ!
  • 冨樫先生
     マンガを特記してください。
  • うすた先生
     マイナーキャラだけで回るギャグ漫画、楽しめるギャグ漫画、って素敵ですよね。

次週号の感想も遅くなりそうです。