1060. オタク男は乙女男子
むかしむかし。少女達は白馬の王子様に憧れ、一夜ごと憧れの人を思い浮かべては恋に胸を痛め、「好きです…」の一言が言えない自分に苛立ち、いっそこの身を強引に奪い去って欲しい願望を内に秘めた、乙女少女の時代がありました。それは、昭和の世のことでございます。
時は流れ世は平成。皮肉にも時代は大きく変わってしまいました。
訂正。ここで評される乙女男子とは、少年じゃなくて- 結婚を前提とした恋愛しかしたくない
- 傷つくのが怖い
- 自分から強引に押せない
- 難攻不落の処女のように身持ちが固い
- 相手がOKという確信がなければ告白できない
- ガラスのように繊細なプライド
- 「誰かに押されないと結婚できない」受け身体質
上記の心理を眺めて、今の世の成人男性が乙女男子に成り下がった(下がった?)背景には、次のような理由があると感じます。
日本人男性は元々、女性に対する気遣いや心配りに疎い面のあったのではないでしょうか。歴史的背景をみても、近代まで男尊女卑の精神が根強く残っていた国家です。こと結婚に関しては「関白亭主」こそ家庭の安泰と信じられた文化です。昭和初期・中期の家族は戦争〜高度経済成長期のコンボも手伝って、男性はただ寡黙に家族の道を造り、女性は三歩下がって付いていく風潮が根強かったでしょう。
そして昭和後期。教育上「男女平等」精神を強く教え込まれ、あるいは欧米文化から「レディファースト」「女性は大切するのが当然」という紳士な習いを受けた男性が増加し、社会に浸透していきました。
女性を思いやる教育・文化を過激に信仰した少年達は、関白亭主の家庭である自分の親を反面教師にして、こんな大人になりたくない…と、強引で理不尽で女性を思いやらない父の逆行を進みます。されど女性に優しくする加減を知らず戸惑います。ベストの対応に悩み、行動に疎くなり、「女性を立てる」配慮を意識しすぎて、やがて必要以上に女性へのアプローチが億劫になります。まるで乙女のように繊細な精神を形成してしまった、とか?
かなり偏った一例だけど、「昭和型乙女男子」はこうして生まれたものと考えます。
ちなみに「平成型乙女男子」はオタク文化に浸かりすぎて現実の女性に免疫がない臆病クン。「知的で貧乳のお姉さん萌え!」「8:2調合のツンデレ萌え!」とか叫びまくるのも程々にしてしっかり経験値積みましょう。*2
「王子様はいない」ことにうすうす気がつき始めた女性たちと「お姫様を待っている」男性たち。これが結婚しない時代の現状かもしれません。
締めくくりの言葉がお上手です。