929. 先行感想 - DEATH NOTE page.68 「発見」

今週号の「DEATH NOTE」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。未読の方は閲覧を控えて下さい。
ここんとこ(物語進行上の都合のため)推理が冴えない月。今週は月視点がメインに扱われたこともあり、MNを出し抜きました。しかしどうやら「いいとこなし病」が月から大統領に感染っただけのような気がする…。誰かの威厳を落とさないと、月の評価が持ち上がらないのかなぁ。


月の魅力が半減した理由
今や月は『プログラマ』から『プロジェクトマネージャ』に転身した、とでも言えばいいのでしょうか。かつての月は、多くの苦難を自力で解決した。それは第一部の戦いが『個人対個人』だったから。自分で考え、自分でソースを書いて、多くを利用しつつも、総じて一人の力で勝利を得た。(ヨツバ編も全体像を見れば『月の計画』で一人手柄)

しかし第二部は『組織対組織』を念頭に、個人の能力じゃ勝利できない舞台を形成した。つまりは、月・ニア・メロは個人戦を挑まず、組織のリーダーとして対峙する。これって第一部とはかなり勝手が違う。リーダーには組織の協力者が大勢いて、王は手駒を操り他をチェックメイトすりゃ勝ちの世界。個人の推理能力はもちろん、「リーダーの資質」も問われるんですね。どうもその辺りの設定背景が、月の魅力が半減した理由じゃないかと思いました。

昔の月って、推理・計画・情報捜索を天才的にこなし、しかも活発に動き回った。なぜなら当時、月には手駒がなかったから。大きなリスクを負ってでも、自ら行動に移すしかなかったんです。しかし我々は、無茶で無謀で無鉄砲で、一歩間違えば崖落ちする、しかしギリギリのスリルを涼しい顔で突き進んでいった、そんな月だからこそ惚れたんじゃないのか? スリルの発生源は、常に月の行動からだった。

第二部の月は、リーダーとして動くあまり賢く立ち回りすぎです。それはもちろん、過去の経験則から学習した事だし、今回は相手もデスノートを持ってるから仕方ない。しかし、自らスリルの道を突き進まなくなった月は、今や展示会に飾られたスポーツカーと同じ。彼はレースのスリルも、スピード感も、感動も見せてくれません。第一部で格好良かったスーパースリラー月の面影を第二部の彼に重ねながら楽しむことしか、もう今のオレにはできません。

せめて……! せめて来週……! 月がノートを自らの手で奪還するために特殊部隊に自身が紛れ込む決意をしてくれたなら……! 次週「飛翔」が、再びスリルの翼を手に入れた月の事だったなら……! どうか、あのスリルをもう一度。


スナイダー?
月と大統領の電話で一つ、素朴な疑問。「ニアが絞り込むより先にスナイダーの居場所を突き止められれば…」のモノローグ(13P)は、月がスナイダーの存在を知る(16P)前。ならば、ニアとの情報交換で仕入れた名前か。そうだとして、ここで突拍子なくスナイダーの名が出るのは、読者に対する説明不足。凡ミス? 次週読者コメントで謝罪? それともオレの読解不足?(コレが一番可能性大…)


今週の月

  1. 海砂デスノート所持者を割り出し作業を進める
    • マフィアの組織情報はニアから得たと思われる
    • 特定マフィアで不振な死が目立てば、メロが所属する組織を特定できそう
  2. 大統領からワタリ→Lにコンタクト
  3. 大統領がメロに狙われていることを察する
  4. 特殊部隊15名ほどの兵力と、大統領の信用を得る
  5. 海砂デスノート所持者『カル=スナイダー』を特定
    • 月なりに所有権の整理
    • 海砂には全く惚れてないようで

大統領が相当の腹黒で、今回のLの行動を一部始終SPKに流されたらどうするんだとか、重箱の隅を突くツッコミはひとまず捨て置き。

規則(ルール)を知り尽くす月が強い。規則とは「死神の目」を活用した事。名前は見えるが寿命の見えない者=デスノート所持者と割り出した訳ですね。顔と名前を特定すれば、次は月お得意の情報捜索です。これは次週頭の数ページで難なく事を終えるでしょう。そして現場踏み込み。踏み込みの方は、そう易々と作戦通りにはいかなそうです。シドウの存在がイレギュラーを引き起すかな?

現段階で月が優勢なのは「ノートのルールを独り占めしてる」から。推理力でMNに勝ると主張できないのが寂しい。肝心の「死神の目」は海砂の能力。踏み込みの手駒も大統領の特殊部隊。うーん、やはり月の存在がどこか栄えない…。


今週のニア
一回休み。


今週のメロ
ニアの小物ネタがなくなったら、今度はチョコが変形してます。溶けていくチョコレートにすら清潔感を感じる。もはや生命力すら感じる。小畑先生の描写力が凄まじすぎて、物語を読解してる場合じゃなかった。

  1. キラ抹殺後、そのデスノートを大統領に与える
  2. 交換条件として…
    • SPKの情報と今後の動向
    • 資金
    • 武器
    • 衛星カメラの使用
  3. 断れば殺す

ええとまず、そもそも交換条件になってない件から語りますか。交換じゃなくて脅迫ですこれ。「未来の仮定」と「現在の情報・資源」を交換と主張するのは無茶。つかメロにそんな気はないでしょ。夜神父を生かすことにはメロなりのメリットがあったから約束を守ったけど、大統領にノートを渡すことでメロのメリットはゼロ。つまり、そんな気は毛頭無し。大統領もそんなの察してそう。きっと「命が惜しくなければ○○しろ」といえば、大統領も気兼ねなく自害したろうに…。

ノート所持者がスナイダーの件。メロがノートを使ってないのは当然ですね。月が書いた例の偽ルールが牽制力を発揮しました。


今後のノート所有者を巡って
さて、スナイダーが特殊部隊にやられて以後、おそらくノート所有者はメロの手元に戻るでしょう。次週『飛翔』はシドウがノートの元に飛び立つ話だと(強引に)予想。いずれはメロがノートに手を掛けなきゃ、話が核心に進まないですから。

メロのノートにシドウが触れるなどすれば、メロは死神を認識するのではないでしょうか。以後、メロは得意の偽約束で、「キラを片付けたらノートは返す」などと交換条件を提示。代わりに、ノートの情報をありったけ教えてもらう、と。

「偽ルール」もバレて、メロは遂にノートに手を掛ける。当然『死神の目』の存在を知り、キラ能力の理由も悟る。メロは(月や火口と同じく)みすみす目の契約なんてしないだろうけど。うーん、なんか平凡な予想になってしまった…。もっとトリッキーなヤツで一本キメてください大場先生。


小ネタ

  • 【第3位】チョコを舐めるために携帯を持たせるメロ
     大股開きで「ペロ ペロ ペロ ペロ」とチョコを溶かすメロ。全国のメロファンの女子達が確実に濡れました。
  • 【第2位】ワタリとLの音声切り替え器がキラボタン!
     月はキラフォントがホントに好きだなぁ。
  • 【第1位】海砂の体重は絶対36kgじゃないよ

下着がはち切れんばかりの豊満な肉付きじゃないか!! ちなみに、肉薄でスラリとした太腿を好む足長ふとももフェチのオレとしては、今週の海砂の太腿はちょっとアレでした。あまりこんな事書いてると、全国の女子から反感を買うので、いかんともしがたい表現でお茶を濁すに限ります。


おまけ
お題は『アイドルは40kgに満たないもん。』です。うそつき! グラビアアイドルのうそつき!
グラビア設定
『アイドルはうんちしないもん』に続く名言。だってグラビア設定なんですよ。本人に嘘を付く意図はなくとも、事務所が勝手に情報操作するんですよね。この方が売れるからって改竄。数字だけで一喜一憂するファンもファンだけどさ…。