881. 先行感想 - DEATH NOTE page.64 「直角」

今週号の「DEATH NOTE」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。未読の方は閲覧を控えて下さい。
ニアとメロの両サイドから追い込まれ後手に回ったことで、二人にに付け入る隙を与えました。今回の誘拐事件、月は最後まで打開策を用意できず、良いとこなしに終わりそう。次週も目が離せません。

「ノートを別勢力に奪われる」までの過程を演出するために「飛行機ジャック」「回転ドア」「衛星カメラ」「ミサイル」など大がかりな仕掛けが用意されたことで、それほどにデスノートは人類史上究極の存在であるという説得力をもたらし、読み応えがありました。デスノートを争奪する者達の存在は皆、人知を越えた雲の上の存在ですね。

今週は大増27Pの中で話が大きく流れたので、纏めるのが大変そうです。

今週の月捜査本部
今の展開は、死神の監視が付いていないデスノートが月の手元を離れ一波乱起こるための序章なのでしょう。月の考えが裏目になり、とんとん拍子に交渉が進み、メロとニアがほくそ笑む。その内容をここまで濃密に描いてきたのは見事です。

  1. 相沢さんよりSE333便の機内状況を説明
  2. 日本の裁きは念入りに継続
    • 月がLAに渡った日から日本のキラ裁きが減ると、月=キラの疑惑が高まるため
    • 負けず嫌いの月はイライラの挙げ句、海砂にやつあたり
  3. ハイジャック実行犯の名前「ザック・イリウス」を特定
  4. 誘拐犯の取引要求を受ける
    • SE333便の情報規制
    • SE333便から夜神父が一人で降りる
  5. 粧裕の生存確認
  6. 月が新Lと名乗り、粧裕デスノートの交換を許可
  7. 交換完了

片やメロにノートを奪われ、片やニアにノート交換対策の手腕を観察され、二勢力の板挟みに苦しみました。その所為か月のイライラは絶頂を極め、海砂に怒鳴るほど。プライドの高いデキる人って、上手くいかなくなると途端にこれだよね。

夜神父と粧裕は命拾いしましたが、これも月の手腕ではなくメロの計らいによるもの。さらに、犯人のデスノート運搬方法を見誤ったことで、ニアからもニヤニヤと生ぬるい笑顔を浮かべられてしまいます。ロケットの探査追求はニアもお手上げのようで、今回はメロが他を出し抜いた形と見て良いでしょう。

ただし月が勝負に負けたのは、メロとニアが同時に奇襲したようなものだから。次のサスペンスバトルでは、月も事前に対策の思考を重ねるだろうし、こうまで上手くやられないと思われます。とりあえず、家族が二人無事で良かったね。



今週のSPK
あくまでSPKとしては動かず、新Lのサポートとして動いたニア。月は犯人のヘリ発見だけで安心せず、他の不振物を探索するよう支持すれば良かったのですが…。この対応の甘さは、ニアから「考えが浅い」と判断されても致し方ありません。結果、ニアのミサイル発見で、月はメロからもニアからもしてやられた訳ですね。

  1. 新Lの要請で、SE333便に対し如何なる組織・企業団体の独断行為も不動に
  2. 着陸地点の割り出しと衛生カメラの監視
  3. ザック=イリウスとパイロットの洗い出し
    • ニアは名前特定の早さに驚きと不信感を抱いた
  4. 犯人の移動手段(ヘリ)を特定
  5. ノート交換後、ミサイルの発見

今週のSPK最重要シーンは、新Lが実行犯の名前を素早く特定したことに対する、ニアのリアクションではないでしょうか。ニアは、”キラが顔を見れば名前を特定できる”ことは知っていると思うので、新Lの名前特定の早さがキラの存在とダブったのかもしれませんね。この点で、月は不用意にニアから目を付けられるかも?

最も不気味な存在はやはり、メロよりもニアです。


今週のマフィア
まず驚いたのが、飛行機を操縦しているのがパイロット自身だったこと。先週メロが「SE333便に二人で乗り込め」と言ったのは、マフィアメンバー二人という意味ではなく、純粋にザックと夜神父の二人を示していたんですね。読み間違えました。歴15年のベテランを協力者に引き込んだのは、金の力か、はたまた身内の人質を取られてか。そっちの理由も知りたいところです。

  1. ベテランパイロットを引き込み、乗客全員を人質にした
  2. 二人の命を保証する意味を説明
    • キラのターゲットにされたくない(キラの目を恐れた)
    • 日本警察と面倒になりたくない(日本警察の復讐を恐れた)
  3. 操縦者一人が乗るヘリを寄こす
  4. 地下に誘い、デスノートの真偽を確かめる
  5. デスノート粧裕を交換

二人の命を保証する説明は、”おまえや娘を殺せば我々がキラのターゲットになり得る”という内容が何となくしっくり来ません。メロ視点から見ると、キラが現状の二人の立場を知れば、キラは二人を殺すだろうと推測するでしょう。だから二人を殺すことは、メロ側にもキラにも利害が一致するのでは、と思うのですが。それとも、「ノートがメロに渡ったことをキラに知られたら裁きのターゲットになる」ってことか。あるいは「人殺しはキラ裁きのターゲットになる」とか?(結局はノートを実験して身内を殺したけど…)うーん、どれも説得力に欠けます…。

さて、ノート交換に立ち会った実行犯は、この後ヘリからどうやって降りるのか。空を飛ぶ限りは衛星の目を出し抜けないし、ニアも彼らを取り逃がしはしません。また、SE333便のザックやパイロットも、飛行機からどのように降りて逃亡するのか。次週三人ともデスノートで死亡の香りがプンプンするぞ。マフィアって人数多いみたいだし、実行犯は皆使い捨てにされそう。メロくんはどうか寛大な処置を。


回転ドア
事細かな構造の設定作りもさることながら、絵を見れば理屈が分かるの説得力が見事すぎます。実際にこんな交換ドアってあるのかなぁ。どんな資料を参考にして、この回転ドアの構造を描いたんだろう…。


ミサイル
2010年ともなればマフィアはミサイルもぶっ放します、ヒャッホーイ! まさかミサイルマンまで飛び出すとは、未来だからってこのトンデモ設定は笑いました。


伏線描写チェック
意味ありげなセリフや振る舞いをチェックし、伏線を洗って今後の予想を立てていきます。

  • [8P-4c] ニアが新Lに驚きと不信感を抱いた
  • [9P-5c] 念入りに説明したとなれば、夜神父と粧裕は無事に生還する
  • [13P-2c] 粧裕も相当のキレ者だったりして
    誘拐されても冷静な対応をとる粧裕。さすがは粧裕も月と血を分けた兄妹ってわけ。粧裕って実はキレ者だった? 第三部は兄の本性に迫る妹の話になる件について誰か一晩話し合いませんか。
  • [18P-2c] 聞き分けのよすぎる新Lに気負いするメロ
    どうでもいいけど股を開きすぎだ。腐女子がトキメクよこれ。(そして伏線予想になってない)
  • [19P-4c] 今後も月は粧裕を殺せない
  • [27P-2c] 新Lの失敗にほくそ笑むニア、この子ってばドSだわ!(これは伏線予想なのか)


伏線回収チェック
先週の感想より開始した「伏線描写チェック」について、分かる部分だけ合否判定していきます。

  • [page63感想より] ピンポイントでも衛星を使って見張る
    →○ これは当たりというか必然だけど…
  • [page63感想より] 海砂の目が必要になる場面がある
    →○ ザック=イリウスを特定
  • [page63感想より] 月と父の連絡が取れない状態になる
    →○ でも「連絡が取れなくなる」の本番はこれからじゃないかな


小ネタ

  • 【第3位】月と海砂の部屋、ノートパソコン多すぎ。
    あんた達ノートパソコンを国外に持ち込みすぎー! めっちゃ怪しいだろそれ。ただでさえ夜神家の人間が、そんな数のノートPCをLAに持ち込めば、メロにもニアにも目を付けられるっしょ! 現状は「ただの次長の息子」なんだからさ(もう次長じゃないけど)、今はそれらしく装いなよ…。
  • 【第2位】ヘリとミサイル。
    犯人の逃走用ヘリが見つかり安心する月。いやいやちょっと待て、明らかにアヤシイだろ。読んでるこっちも「ああ、このヘリ絶対ブラフだな」って思ったもの。月の知能指数が落ちてるのはご都合主義ですか。
  • 【第1位】先週に引き続き、ニアのダーツ。
    的の目の前で左投げダーツするニア。これは明らかにダーツしてないです。落ちたダーツで文字、もしくは絵を描こうとしてる?