814. 先行感想 - ONE PIECE(第359話「ビンゴ」)

今週号の「ONE PIECE」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。未読の方は閲覧を控えて下さい。

今週号はW7編の真相と結末が盛りだくさん。どのシーンも熱かったので、ポイントごとに感想&攻略していきます。


表紙連載
もう始まるんですか。今回はインターバルが短かったな。巨人の島・エルバフが最初の舞台ってコトは、今回の表紙連載主人公はかなり以前の登場人物?


船大工として
冒頭でウソップを圧倒するも、おそらく六式を使わずの撃退。世界政府の立場として海賊を捕らえたり、船大工の立場として「ダメなものはダメだと聞き入れて欲しいもんじゃ」と職人魂を見せたり、CP9メンバー中カクだけはクリーンなイメージを纏ってます。そう感じるのは、オレがカク贔屓だからでしょうか?

カクは同僚の命令には絶対ですが、自主的に動く姿を見ると、なぜかいいひとに見えてきます。これはルッチと正反対のイメージ。もちろんカクもルッチと同じく、CP9の仕事や命令に対しては絶対で、裏切りは発生しないはず。その前提条件を受け止める一方で「カクがホントはいい奴の可能性があって、過去にはCP9に身を染める悲しい理由があったんじゃないか?」などと、ありもしない妄想と期待を膨らませてしまいます。鼻の長い奴に悪い奴はいない!

カクのつぶらな瞳も、ワルに見えない一因だ。


メリー号放出
アクア・ラクナで大荒れの海に、満身創痍のメリー号がダイブ。船の墓場は一コマ描写されるものの、しかしメリー号が大破した描写はなし。メリー号が壊滅したミスリードを誘う演出か。おそらくはこのメリー号、海へ飛ばされたゾロと合流でしょう。また、ルフィが海に飛び込む描写はなかったので、彼は手を伸ばすなどして陸に留まったでしょう(単独で海に入ったら死ぬし)。

今後のゾロは、メリー号で命を繋ぎ陸へ。CP9と再戦を果たすが、二刀流で本領を発揮できない。危機場面でチョッパーが合流して三刀流で逆転劇。という展開運びでしょうか。


麦わら海賊団の濡れ衣
アイスバーグが意識を取り戻したことで、ルフィ達の濡れ衣は解消されるでしょう。アクア・ラクナの混乱もあり、濡れ衣の事実が正確に広まるかは怪しいところ。しかし確実に、CP9の計画が崩れたことは間違いなし。ここで、ルッチ達CP9メンバーが現在の展開を故意に狙った、って万馬券的な予想もありだ(ないない!)。

また、麦わらに濡れ衣を着せ切れなかったことで、ロビンの思惑も失敗に終わりました。よって「バスターコール」が始動するのも時間の問題か。「麦わらvsCP9→麦わらの勝利→バスターコール始動→麦わら+フランキーを一斉確保→エニエス・ロビーへ連行→フランキーとトムの再会(トム生存説より)」なんて夢の展開を妄想して悶えそうです。


「あなた達と一緒にいても 決して叶わない願いを!!!」
ロビンの願いとは「私を除く”麦わらの一味”の6人が 無事にこの島を出航する事」という意外な真実。ミステリアスな雰囲気に隠されたロビンの本音が、ついに暴露されたのでした。そしてこれは、ロビンが今までも真に仲間意識を持っていた裏付けになります。「一緒にいても叶わない願い=一緒に居ると叶わない願い」という文字通り足下を掬われたオチに震撼。そして、ロビンが初めて仲間だと認識したルフィ達と別れることを決意した彼女の意志決定に、心がぎゅっと締め付けられました。

さて、この展開には何重にも張り巡らされた伏線が絡んでいます。

  • W7編冒頭、ロビンとCP9の初接触
    ロビンがCP9の一味だとミスリードを誘う演出だった。このエピソードを起因として、読者は「ロビン=仲間を売る非情な人物」と思い込むようになる。実はロビンは政府から脅迫を受け、利用されていた。
  • ロビンをCP9メンバーのように演出
    アイスバーグ銃口を向けるロビンの姿に、読者でさえ彼女の裏切りを確信。
  • ルフィだけはロビンを信じた
    一方で、ルフィはゾロとナミに「ロビンを連れ戻す」と誓う。読者はルフィの健気な姿に諦めの気持ちすら感じたハズ。しかしこの展開、ルフィの決意こそが正しかった。

読者がロビンの「願い」を意外に思う背景には、これほどの伏線が潜んでいました。「ロビンは敵」ってイメージを定着させた演出が見事だったことに他なりません。ロビンの本音を聞き、ロビンの過去を想像し、そして物語作りの技術面でも、大きな感動を呼び起こす一大場面となりました。


信念のせめぎ合い
アイスバーグは過去にフランキーの大罪を目の当たりし「戦艦」を生み出す危険性を熟知している。どんな理由を付けても「戦いの道具」ってのは、悪い奴に利用されれば最悪の兵器と化す。アイスバーグはこの思想を、8年前の事件後トラウマ的に抱いている。ロビンは真に知的探求心からポーネグリフを求めているが、アイスバーグに言わせればその行為は、過去のフランキーと重なって見えるのです。

一方のロビンも、ポーネグリフを求める理由に、過去の因縁が関係している。その一つにオハラ事件がある。ロビンもアイスバーグと同様に厳しい経験を重ねた結果、根深い信念が形作られたのでしょう。

アイスバーグもロビンも、口先だけで口論したのではなく、互いの相反する信念をぶつけ合ったのでした。そしてアイスバーグはロビンが「自分の夢より仲間を選択した」事実を受け、先週のフランキーと同様、信念で責める気持ちとは別として受け入れたのかもしれません。


バスターコール

  • 海軍の元帥と大将(三人)の四名だけが、バスターコールを行使する権限を持つ
  • 中将5人と軍艦10隻を一点招集する緊急命令
  • 国家戦争クラスの軍事力

ロビンがバスターコールを恐れる理由として、オハラ事件でバスターコールが行使されたのでは? と予想。ルフィ達が中将レベル5人に捕らえられる姿ってのも、あんまり想像できないですけど。「国家戦争クラスの軍事力」って事で、とんでもない軍艦が10隻投入されるのかなと補正を入れておきます。

現在の展開では、CP9がバスターコールを行使する可能性は極めて高いです。ガープ中将が登場すれば自ずとコビー&ヘルメッポも再登場ですよ。ルフィとコビーの再会なるか!?


ナミの決意
「ロビンはじゃあ… 私たちを裏切ったんじゃないんだ………!!!」のナミさんの表情が超セクシャルエロス! 「ハァ…」って色っぽいため息と肌に浮かぶ汗の滴がエロい!ナミさんのミニスカがエロい!の安堵にも感動。ルフィの判断で間違いなかったことを確信し、安心したのでしょう。

「助けていいんだとわかった時の あいつらの強さに限度なんてないんだからっ!!!」のナミがこれまた泣けます。かつてアーロンパークでルフィ達に救われた経験が原動力になっているんだろうな。余計なところまで脳内補正して感動。


サンジ登場
無傷のサンジは、現状W7唯一の脱出口である、海列車の駅『BLUE STATION』で待ち伏せしていた。おそらくサンジはロビンの真意を見抜いた訳じゃなくて、「今までよくしてくれてありがとう」という台詞だけを信じているのでしょう。ロビンの現在の裏切り行為は偽りの姿であると信じ「”女のウソ”は許すのが男だ」と結論づけたサンジの姿が、もんすごい紳士。


おまけ
DEATH NOTE以外のコラ絵も楽しくなってきました。お題は「嘘つき次号予告」。
許すのが男だ
どうか寛大な気持ちで微笑んでやりましょう。


引っ越し作業が立て込んでいるので、以後の感想をどうするか悩み中。見通しが立たない。