556. 萌える英単語2
一年前、一世を風靡した萌える英単語「もえたん」。
萌えを強調したイラスト、コスチューム、キャラクタによるオタク層の囲い込みは元より、絶大なる人気の所以は、その例文の馬鹿具合にもあったと思います。
ガンダムやJOJOのネタなど朝飯前。巷に溢れる漫画・アニメ・ゲーム・インターネット・Web話題などの名言・オタク用語をそのまま引用した例文は、それを英文にしてしまう強硬さに斬新さを覚えました。あの萌えたんが帰ってくるそうです。
注目したいキーワードは以下。
- 防御から攻撃へ
- 収録データが前作比で4倍強
- 意味的カップリングを加味した単語配置
- 大学受験にも対応
- TOEICにも対応
- 一般投稿された例文からエキセントリックな傑作を厳選収録
- 販売店は全国書店またはコンビニエンスストア
- 上下巻 1,000円
- 防御から攻撃へ
- 初代「もえたん」は他の教科に比べて英語が苦手なユーザに向けた防御的な参考書だった。続編「moetan2」は、受験用にも耐えうる内容。ボキャブラリーを難関大学入試レベルまで拡大し、英語を武器にして勝負できるよう再設計された。いわば攻撃的な単語集になった、らしい。「防御から攻撃へ」というキャッチフレーズが上手い。いかにもオタク層が好きそうなフレーズ。
- TOEIC*1にも対応
- この記述が非常に上手い。前作「もえたん」は中学受験対応だったので、高校生以上の客層は敬遠しがちだった。アレを買っていったのは、現役オタク中学生、英語が苦手なオタク学生、一部の濃いオタク層…程度だと思う。思いたい。
しかし「TOEIC対応」となると話は違う。客のメインターゲットが、高校生はもちろん、大学生〜社会人まで非常に幅広くなる。『大学生以上のオタク』はその濃度こそ違えど、ゲームが少し好き、インターネットに興味を持ちだした人、昔漫画が好きだった人なども加えて考えると、かなり幅広く存在しているのも確か。加えて英会話やTOEICは多くの日本人の関心事。
中学生向けの英単語帳が20万人に売れたのだ。一般層を広くフォローする「moetan2」は、発売後に実用性はともかく内容の面白さ(と馬鹿さ)さえ実証されれば、まさかのミリオン到達も夢じゃない! …かもしれない。
- 販売店は全国書店またはコンビニエンスストア
- コンビニに置くのは侮れない。書店に置いてあると、英単語帳目的で本を買いに来る人は、辞書内容を比較して購入を考慮するので、その売れ行きには不安が残る。しかしコンビニに置かれると、英単語帳目的ではなく興味本位で手に取る。この場合、勢いで買ってしまいかねないほどの威力が「もえたん」にはある。「もえたん」は、”萌え”でエロスなイラストはともかくとして、内容の例文にその人の趣味のフィーリングが合えば、がっちり心を掴まれてしまうのだ。
ガンダムやJOJO、各種有名漫画・アニメ、FFやDQ、オンラインゲーム、TRPG、2ちゃんねる、テキストサイトやニュースサイトが好きな人……これに該当する人達は、衝動買いには要注意しなければならないと、声を大にして警告したい。
とは言え、前作「もえたん」を持ってる人って自分の回り(自分含む)にはいないんですよね。20万本も売れていたとは。改めて日本ってのはオタクの国だと気付かされます。
内容は、立ち読みでぱらぱら見たことがあるけどすごく笑えました。イラストは可愛いって位で特に深い思い入れもないですが、例文内容とそれが英語化の衝撃が非常に好きだったので、機会があったらじっくり読んでみたいです。
でもこれ、持ち歩けないから一般使用には耐えないと思った。
*1:公式ページの記述は「TOIEC」に。誤字指摘頂きました。ありがとうございます!