544. 360度立体映像ディスプレイ開発

タイヤのない自動車、自動調理器、見たい夢を見られる夢枕。これらに並ぶ21世紀・夢の発明。それが360度立体映像ディスプレイ。

どこでもドアやタイムマシンなどに代表されるドラえもんひみつ道具は、あまりに空想世界の産物過ぎていまいちリアルさが感じられない。しかし、こうした近未来グッズには、ともすれば本当に実現しかねないのでワクワク感があるんですよ。

そして360度ディスプレイですよ。SFモノの映画や漫画、小説には付き物の近未来装置! ミニスカコンパニオン風のオペレータお姉さんが立体映像ディスプレイに浮かぶ時など、どうして下からのぞき込まないんだ!ってツッコミ入れる甘酸っぱい青春の過程は、誰もが通る道です。…たぶん。

装置自体の開発は、人類がもう少し頑張れば、今後数十年のうちに開発できると思うんですよ。問題は、この装置に対応する撮影側の難しさではないでしょうか。平面じゃないので、ありとあらゆる角度から映像を撮影し、これを無理なくつなぎ合わせなければならないのでは…と、素人は考えてしまいます。

このディスプレイは2Dの360度ディスプレイということなので、撮影側の作業量を画期的に最適化する機器などが登場すれば、この問題は回避できるかもしれません。十年後くらいに。

問題は、3Dの360度ディスプレイの場合。前面や側面、後方からの撮影はまだ良い。立体空間映像の問題は、これに上方から上方へ、そして下方から上方への撮影情報も加わる。情報量は2D情報の累乗以上に跳ね上がるのではないでしょうか。

空間立体映像を静止画像として実現するなら、まだ無理なく補完できる作業量かもしれません。しかし、これを動画映像化してモニターから映し出すには、1コマずつに立体化処理を施さなければならない(と、素人は思ってしまう)。現存の技術でこれを実現するのは、まだまだ技術力が追い付いてない感。

しかし、撮影側のネックとなる情報整合処理は、コンピュータスペックが現在の数百・数千倍まで跳ね上がれば(そう遠くもない予感)、あるいは実現可能かもしれません。

我々が夢見た青春(ミニスカお姉さんの立体映像を下からのぞき込む青春)は、もしかすると我々がまだ生きているうちに実現できてしまうのではないでしょうか。その立体映像ディスプレイは、オレに厳しい現実を教えてるのです。

「スカートの中身は撮影されていなかった」という一大事実を。青春ぶちこわし。