319. オリジナル・サウンドトラック入手

新選組!サントラ
NHK 大河ドラマ新選組!」 オリジナル・サウンドトラックを入手しました。ドラマを見ておられる方は、Amazon新選組!サントラのレビューも合わせてみると面白いです。


服部隆之は今回、作曲にあたってひとつの宣言を行ったという――「ピアノは使わない!」。哀しげなトーンが醸し出す雰囲気で視聴者の涙腺をゆるませようという方法を服部は拒絶する。

言われて初めてハッとさせられました。これを知らされてから再度、サントラ全曲を聴いてみると、確かにピアノがない!(メインテーマの「ピアノバージョン」はあるけど、今のところドラマ中では使われていない) ピアノを使わなくても音楽は簡単に作れます。しかし、さすがに全曲分ともなると、楽器や演出のレパートリーに物足りなさが生まれてくるものです。さすがは一流のプロ・服部隆之、格が違います。


新選組!』の音楽には、五度(ドとソ)の音が多用されている。この音の組み合わせには一種の無国籍感があり、あるときはローマ帝国風にすら響くという。また、ドミソのミの音を抜くことによって、短調とも長調ともつかない響きが得られる。気分によって、どちらともとれるような響きなのだ。
オーケストラで幕末歴史モノの音楽というのをオレはあまり聴かない(大河ドラマは毎年そうなのかな?)んだけど、サントラだけ聴いた印象では、確かにサントラの音楽の多くには多面性が潜んでいる。新選組!だと思えば幕末モノにも聞こえるし、ゲームのサントラだと言われても、現代風の映画のサントラと言われても、違和感はない気がします。下手すれば欧風にも聞こえるし、ファンタジーにも聞こえる、結構どんなシーンにもフィットする音楽かもしれません。歴史モノと言われなければ、気付かない曲はいくつかあるような。

個人的に好きな曲を挙げます。まず、これは外せないOP曲「新選組!メインテーマ」。こういう音楽、戦略シミュレーションRPGで流れそうだなって印象がある、意気揚々とした「闘志躍動」。音を細かく切って緊張感・緊迫感を誘う「衝撃」。この曲を聴くとものすごく平和な景色が思い浮かぶ、ドラマの方ではもう流れる場面も少なそうな「青春謳歌」。これからの新時代を思わせる「威風凱旋」。前半の哀愁さが、中盤からの盛り上がりを絶妙に押し上げて感動を呼んでいる「誠の志」。死者を嘆く生存者の悲しい叫び、鳴き声、弔いのように聞こえてならない「敗戦」。って、2-3曲のハズがいっぱい挙がってしまった…。

ドラマにはまっている方には、ぜひとも入手してサントラだけで聴いてもらいたい一本です。サントラの並び順で、曲のタイトルを見ながら聴いてると、これがまたもの悲しく感じてしまうんだ。はぁ...。