215. 第24回 - 避けては通れぬ道

昨日も言ったんですが、この24回は実に完成度が高かったです。これまでコツコツと築き上げた新見切腹伏線の積み木を、今話で一気に叩き壊したような豪快さ、爽快さ。しかも伏線の消化を、まさに自分の一番見たかった展開で熱くやってのけてくれました。個人的にこの伏線消化満足度は、第11回「母上行ってきます」と同順の第一位タイです。

試衛館メンバー密談。土方・山南の思惑をようやくメンバーに打ち明ける。近藤の沈黙は、二人の言い分を認めない拒絶の意思と、試衛館メンバーがどのように決断するか見極めたかったのか。永倉さんは寝耳に水の様子、話を聞いて芹沢処分派に若干揺らいでましたね。佐之助は芹沢が嫌いって理由で芹沢処分派ですかね。以前「芹沢芹沢ってうるせえんだよ」って悪態付いてましたし。源さんはあくまで近藤さんの意思を尊重か、芹沢維持派。斉藤はどっちつかずの素振りを見せるものの、心中はやはり芹沢維持派なんだと思います。すごく義理深い人間だからなぁ。平助は沖田の事が心配らしく、どっち派でもいいっぽい…こっちはこっちで他人思いの良いヤツだ。

完全に近藤さんの側近と化した源さん。席を外した近藤さんを優しく諭しフォローに回る、さすが側近です。このシーン、一番年齢の高い源さんだからこそ光る渋さであったと思います。つか源さんっていつもは身分底辺キャラなのに、たまーにめちゃめちゃ渋くてホレそう。

土方山南同盟。「たまには意見が合うんだな」この二人がこういうセリフでほくそ笑むのを見ていると、こちらも嬉しくて心弾みます。悪巧んでやらしくほくそ笑んでるのに、こんなにも心落ち着くのは何故…。

望月さん再登場。土佐藩の人間はほんとギャグシーンがお上手で憎めないキャラですよね。「敵じゃいか。うっかり喋ってしもうたき」とかいいながら、一呼吸したらまたぺらぺらとしゃべり出すし。「もう話さん!」連発笑いました。

局中法度決め。近藤さんによる完全な浪士組結成のためだけに作り出した法律として描かれていたのに驚きです。局中法度って、これを絶対とする冷酷精鋭組織を作るために定めたと勝手に思い込んでいましたので。ドラマ中の法度の扱いを見ていると、えらく利己的な動機で定めたのだなと、これはこれで感心。

裏切りの新見さん。先週芹沢さんが新見さんを見捨てたセリフ「新見、お前腹切れ」発言がかなり効いたようで。芹沢さん達の焚き火シーンでも、沖田・お梅・芹沢が和気あいあいな雰囲気を作っている中、一人新見さんだけ浮いてましたもんね。法度の決め事の際にも、芹沢さんは部屋で寝てらっしゃる、ほっといていいでしょう」と忠誠度低下が露呈。茶器や金銭を褒美を与えて忠誠度を上げなきゃ裏切られるっ!(信長の野望) というか、後の茶会であっさり芹沢と手を切る意思を漏らす新見さん。

「たまたま同郷だったから」発言。今まで行動を共にしたのがこの理由だけ? 100%本心じゃないはずです。半分くらいはあったかもしれないですけど。芹沢さんが腹切れ発言で新見さんを見捨てたから、新見さんも同じように芹沢さんを見切ったわけで。あの発言がなければ、きっと新見さんは芹沢派に留まったんです。そういう意味では、芹沢さんが新見さんに裏切られたのは、まさに身から出た錆と言わざる得ないです。

「アホ、オマエ、シヌデ」のオウム。オウムの声を担当したのは永倉新八役の山口さん、公式で特集されていました。オウムのセリフに芹沢さんは過剰反応。筆頭局長の地位が組内で著しく低下し、自分の死期が近づいている事にも僅かに感じているのでしょう。ムキになって錠をたたき壊そうとする必死な芹沢さんが、見ていて寂しい気持ちになりました。

素振り稽古。男色祭り!(血祭り発言) こんな大胆に漢の乳首達(乳首が複数形)をあらわにしてしまって良いのですか日本放送協会NHK!! 永倉さんすごくウブでビックリです。女性に肌を撫でられて完全硬直!(硬直がエロい) 興奮して胸ピクさせまくり。動くたびに大笑いしちゃってお腹が捻れそうだった…。近藤さんより二歳下だもんね、まだまだ若い男だった事を忘れていました。

沖田とお梅さん。沖田はとうとう筆おろし。敬意を払い、次の感想から「沖田さん」と呼ばなくてはいけませんね(何故だ)。

新見さんの切腹。新見と芹沢それぞれの感想については昨日の記事に。最後の最後、新見さんの参謀口調、そして事務表情が大きく崩れます。そこに感じる新見さんの人間らしさがたまらない。これが見たかった!的な燃える演出を次から次へとよくもまあ。ツボを抑えすぎている神懸かった脚本。「先生ーーーッ!」の怒鳴り、見たかったですっ。「芹沢先生も馬鹿だなあ、俺がいなくなったら今度は自分だというのに」芹沢へのぼやき見たかったですっ。ついでに山南美さんへの伏線まで張っていきました、いたせりつくせり。

坂本さん腹踊り。今日の坂本さんは、近藤さん(と浪士組)の覚悟を見極めるためにあんな質問をしたのでしょうか。土佐が敵でも叩くだけ、的な発言に坂本さんは感服。どこまでもまっすぐで一度決めた意思を曲げない近藤さんに、またもや武士道を見たようでした。土佐が敵には…なって欲しくないですよねぇ。