884. 先行感想 - タカヤ−閃武学園激闘伝− 一撃目 「タカヤ入学!! −拳とリボン−」

2004年度金未来杯の王者に輝き、Web上でも別の意味で騒がれた鳴り物入りの新連載、満を持して登場です。…正直、多くの読者に期待されていない漫画だと思うので、その期待を逆の意味で裏切るような漫画へ成長して欲しいですね。

話題の新連載
中川さんも驚く
中川さんだってこんなリアクション。待ちわびたぜ、ネタ漫画・タカヤ!

驚きの画力アップ
昨年の読み切り時に比べ、「恋愛漫画」としては大分見られる画力になったのではないでしょうか。以前よりキャラの頭身が高くなり、恋愛を描くためのリアリティが高まったと思いです。しかしながら、その画力は現在も十分と言えない。

例えば、主人公をデフォルメに描きすぎると(Waqwaqのように)興ざめします。また、身体の描画が苦手のようで、あちこちぎこちない姿勢が目に付きました。視線の向きがおかしいのも、「恋愛」を描きたいなら一番に直して欲しいところ。まだまだ一回りも二回りも成長の必要あり。

だけど作者はどうやら、ライトタッチのコミカル学園モノを描きたい模様ですね。路線をギャグ漫画に向けるなら、今の画力でも十分子供受けは狙えるかも。元々の絵柄は島袋光年先生(世紀末リーダー伝たけし!)や新沢基栄先生(ハイスクール奇面組)を彷彿とさせますし、WJの学園モノらしい絵だと思いました。


渚が男っぽい
ヒロインの渚があまりに男の表情をしすぎるのは、ちょっとどうでしょう…。ギャグ的な意味合いで(銀魂の神楽のように)表情が豹変するならまだしも、武術を振るうときはほとんど男顔じゃないですか。これじゃ、渚の女性らしい魅力が引き立たないのでは、と心配です。

それに比べて、幼少時の渚が女の子らしいこと。坂本先生はロリテイストのキャラを描くのが上手いですね。成長前後の渚で、全く魅力が違いました。そもそも坂本先生は、小学生がたくさん出てくる漫画を描いてたほうが、そっち系のコアなファンに支えられて長期連載できるのでは、とさえ思いましたもの。

残念ながらオレはお姉さん趣向ですので(貧乳だとなお良し!)、大きなお姉さんも魅力的に描けるようになって頂きたいです。


恋愛設定が安っぽい
あちこちのギャルゲー、エロゲー、恋愛ゲーから設定をパクり回してきたような、至極安っぽい設定をどうにかして下さい。白川家の豪族設定も、学園の施設・校風設定も、なんだか無茶しすぎで付いていけません…。いや、大人は付いていけなくてもまあいいんだけど、本来のターゲット層がこの設定を受け入れられるのかなぁ…。

でも、オレも小学生の時は「まじかる☆タルるートくん 」の原田の人の豪族っぷりを普通に受け入れて楽しんでたので、小学生には余裕でアリな設定なのかも。


展開が強引
坂本先生は今話で描きたい話が数ブロックあったようですが、そのブロックを無理矢理繋げた所為で、ブロックの繋ぎ目にとんでもない違和感が残ります。「あっ そーだ!! さっきのワルガキの話だ!!」でバトルパートに移行したり、余りにありえなすぎて声が出ませんでした…。WJだからってここまでご都合主義が許されて良いものか!


武術を無下にしすぎ
空手に柔道、剣道まで習った悪役の人(名前くらい付けてあげて…)が、一瞬でやられすぎなんですけど…。空手・柔道・剣道ってそんなに弱いのか。いや、白川流武術がめっさファンタジーなのか。このあたりのテンションも全く付いていけず、全然楽しめませんでした。


光るものはあり
新人作家の第一話でこの画力なら、話数を重ねればまだまだ成長が期待できます。また、今話の内容は読切時の焼き直しで、物語の展開がおおよそ分かっていましたから、次週以降からが真の戦いになると思います。タカヤ、白川兄妹、悪役の四名以外に、次週からどんなキャラクタが登場するか、期待したいところです。


おまけ
お題は『こんなタカヤだったら正直応援してた』です。
こんなタカヤだったら正直応援してた
ツンデレってのは、心の芯が純情なほどそのギャップに燃えるんですよ。胸をタッチされて逆ギレなんて、あまりにも当然のリアクションすぎて全然燃えないじゃないですか。

だいたい、心を許した相手にハプニングとは言え、触られたんですよ。純粋可憐なリアクションをとってしまう心理の裏側で、しかし触られてドキドキしてあろうことか感じてしまった自分の身体のイケナイ反応を抑え込もうと必死になって下さいよ。心と身体が、理性と本能が相反する反応を示し、だけど頭は超純情だから背徳心でいっぱいになって感極まって涙して下さいよ。そのくらい突き抜けてくれれば、個人的には超クリーンヒットでした。

って、オレはタカヤに何を求めたいんだ。