726. 先行感想 - DEATH NOTE(Page56.「抱擁」)

恒例になってきました。WJ発売日早朝の、DEATH NOTE先行感想。

今週号のDEATH NOTEについて、大きくネタバレを含んだ考察記事です。未読の方は閲覧を控えて下さい。

今回は特に濃厚な伏線回収もなく、新設定も出ず、穏やかな”キャラ萌え話”メインとなりました。よって、考察感想はそこまで深く突いてません。


推理派? キャラ派?

デスノート読者において、本編の複雑な物語を推理して楽しむ人って、実は少数派のようです。少なくとも、一般読者にはあまり見受けられません。軽い感じでここはこうかなと予想はしつつも、「イラストが綺麗だから」「深く考えずに答えだけ見て驚きたい」といった楽しんでいる方が大多数だと思います。

今後の展開を推理して楽しむ行為が崇高なわけでもなくて、イラストに萌えて楽しむ行為が悪いわけでもない。漫画は人生の息抜き、食事でいえばおやつなんだから、要は楽しめばいいんですよね。そして今週の物語は、後者のタイプ(多数派)には大喜びのお話だったのではないでしょうか。全面に渡って海砂リュークのフィーバーです。

自分は前者読み派なので、正直今週のお話は不服に感じるポイントもあるのです。しかし、先述した要は楽しめばいい理論に乗っ取って、今週は”キャラ萌え”部分でも楽しんでみようと思います。

軽感想 - 海砂
まずは海砂をウォッチしましょう。海砂……ん?

黒ミサが見たい。

ソフトンさん! デスノートボーボボのコラボ再び。小畑先生、このジャージ狙ってます?

その他のファッションチェック。下半身はミニスカ+黒タイツ。魅惑のふとももはお休みですが、自分黒タイツもストッキングも大好きなんで全然オッケーっス! 次週はガーター+網タイで登場し、ワンピと夢のコラボでお願いしたい。さて気になったのは爪の色。3P5コマ目の爪の色が黒塗りになってません、ニアミス。

海砂は表情がコロコロと変わるコミカルさが可愛いですね。笑顔になったり、猿みたくなったり、泣いたり転んだり挫けたり。でも一番好きなのは、真剣な眼差しを向ける時。瞳が綺麗でキュート。ぐっときます。

そんな海砂ですが、やっぱLの名前忘れてたオチ。名前や寿命は目の能力で自動的に記憶されるという”先入観”、推理ドラマでは「重要なキーワード」は些細なことも忘れないという”お約束”がありますよね。だから、まさか本気で名前をど忘れする展開になるとは、あまりにも当たり前(作り話的には異例)の事過ぎて、隙をつかれたという印象です。

しかしながら、海砂のど忘れについて、月の万能性と対比させたのは好印象。月やLがあまりにも人類叡智の頂上対決してるからドラマの異常性を抱く。けど、普通の人は海砂や松田さんレベルなんだ。レベルの違いを見せる意味で、今週のど忘れ展開はある種必要な要素だったとも感じます。

リューク「一応 俺もオス 照れる」に対し海砂「あはっ」と返事。この辺の余裕っぷりはさすがアイドル! 月がさらっと高等な嘘をつくように、海砂もさらっと高等なかわしっぷりを披露。手慣れてるなオイ。


軽感想 - リューク
やばい。しばらく見なかったうちにリュークがえらい可愛く見える。オレはいったいいつの間に腐女子の目」と契約してたんだろう。契約する代償に、その人間の感想サイトの客数が半分になります。ギャース!

コミックス最新刊のの”How to use”では、死神に関する新ルールも公表。

・死神は無闇に人間界に居てはならない
・死神が人間界の滞在を許されるのは、
 ・自分が所持していたデスノートを人間に持たせている時
 ・デスノートを渡す人間を物色している時(ただし期限は人間界単位で82時間)
・死神は個人を深く観察する為に、人間界単位で82時間以内なら人間界に居ても良い
これらルールのおかげで、先々週に予想した、

デスノートの監視権はリュークにあるので、ノートBが海砂に拾われるまでリューくんは森の中に放置プレイが確定しました。可哀想すぎるだろリューク! 誰かリンゴの差し入れをお願いします…。
は大きくハズしました。リンゴの差し入れだけ当たっても…皆が期待したネタだし…。人間界のリンゴに大反応「ウホッ」で大よだれを垂らした描写は予想以上の反応で笑いました。死神界のリンゴも見られて満足。

ダークプリンス月様が「久しぶりだな リューク」とリュークの顔を見ずに挨拶するコマが爽快。この三人が並ぶコマは今週最もテンションが上がりまくり。シチュエーションや構造的に見ても神掛かってますね。その後の「全ては計算か…」「うそくせーーー」「この娘は抱きついてばかりだな…」などなどリュークの毒舌ツッコミは冴えまくり。

今週のデスノートが物語性よりもキャラクタ重視の構造に感じたのは、海砂のコミカルさとリュークのキャラの濃さは際立ったからなのかな、と感想を書きながら思いました。


手紙の内容と思惑
さくさくっと整理。
葬る時は僕が指示を出す
手紙の内容には「殺す」という単語は出ず、「葬る」という単語が踊ってます。黒月さんの表現力は詩的ですね。オサレさんですね。手紙を見てすぐに葬るのでは、自由になったばかりの月と海砂に再び疑惑を寄せられる。だから時期を見て葬る、とのことです。

この手紙はすぐに燃やし
手紙を燃やしても、手紙の内容は忘れないで下さいね、海砂ちゃん。

すぐ処分できるだけの数ページを隠し持ち
護衛用のデスノート切れ端。護衛用の拳銃よりよっぽど頼りになります。オレも「相変わらず固いのね」とか言われたいっス。

ノート自体はまたしばらく埋めておくように
ノートの姿はL達に割れているので、これは再び埋められることになりました。しかし、月も海砂も、Lの手により尾行されてるとは考えてないのかな。今回実は海砂に尾行が付いていて、海砂が立ち去った後尾行者がノートを掘り返したら、キラの正体はもはやビンゴなのに。

次に僕にあった時 ノートの切れ端を自然に
触れさせてくれ
リュークの姿を見るため。つまり月は今後の計画の中で、リュークとコミュニケーションを取らねばならない状況がある、といった展開を暗示しています。

これに従ってくれたら 僕は弥海砂を一生愛す
海砂を骨の髄まで利用するためのトラップ。

今回「海砂がLの名前をど忘れした」ケースを、月は計画を練った時から勘付いていたかは不明です(拘束時に思いついてそっちの作戦も練ったのかな?)。しかし、計画の万能性を考えて海砂を自由に扱えるよう、最後の一文をこれにしたのでしょう。

さて海砂の寿命が1/4になったのは、吉と出るか凶と出るか。


監視権の不明確性(追記)
先週の感想「監視権の不明確性」で述べた部分が、リュークの発言により若干氷解しました。
「そのノートや所有者に憑く死神は人間界に…」
つまり、監視権の対象はノートと所有者の両方ってコト? でも死神が憑いて回らなければならないのは、あくまでノートではなく所有者側だし…。

うーん、先週のレムのこの発言もあるし

「自分が見届けなければなけないのはこのノートの行く末だけだ」
どちらの表現も、死神が監視してるのはあくまで「ノート」であると主張してる。にも関わらず、今回のリュークの行動(ノートは埋まってるが所有者の海砂に憑く)や、以前のレムの行動(ノートを家の地下室に隠しつつ火口に憑く)を思い返すと、死神が監視しているのは「所有者」に見える。

結局、どっちもってことっスかね。あやふやな設定のまま進展無し。


ノート掘り返しに至る疑問点
まさかこんなにも容易に、ノートを掘り起こされてしまうとは…。Lはいったい何をしているのだ!

  • ”先週の引き”の時点では、月が海砂にノートの場所を教える前だった
  • アイバーやウエディを追跡に向かわせないのか(ウエディはその筋のプロでは?)
  • ワタリのスナイパーライフルは火を噴かないのか

一番目は、読者の深読みを誘ったミスリードなのでしょう。月がノートの場所を教える前に、Lは何らかの行動に出ると思ったのですが…。だってねえ、海砂にノート持たせちゃ、Lか海砂の一方が死んじゃうんだもん。

二番目の案は各感想サイトで唱えられていました。正直、本編よりもこの案の方があり得そうなストーリーです。全くLは、月の所持品を全没収しなかったことといい、世界一の人権無視探偵でありながらなんと不甲斐ないのか。

三番目の案はSnowSwallow推奨でした。死神の目を契約して寿命が半分に縮んでいたので、今週あたりワタリに尾行され、ノートを手にしたところで撃ち抜かれ死ぬのかと。でも、今回で海砂の寿命は1/4になったわけですね。ワタリライフルの餌食になる可能性は二倍、いや、2の二乗で4倍にまで膨れあがりました。…ツッコミ不要。


「死神の目」設定整理
「死神の目」に関する設定を整理します。強調部分は今週明らかになった事項。

  • 「死神の目」を契約する代償に、その人間の寿命が半分になる
  • 相手の名前と(本来死ぬ予定の)寿命が見える
    • 顔の左右半分以上を見る必要あり
    • 顔の頭から鼻まで見る必要あり
    • 条件を満せば写真や映像でもよい
  • 自分やデスノート所有者の寿命は見えない
  • ノートを破棄すると「死神の目」は失われる
    • 失った記憶のように元には戻らない
  • 名前と寿命は本人が記憶しなければならない
    • ”目の能力”が名前と寿命を自動記憶、など便利機能は一切無し
  • (コミックルール)元の視力に関わらず、視力が3.6以上になる
  • (コミックルール)見える寿命は、デスノートの関与しない本来の寿命
  • (コミックルール)見える名前は、その人間を殺すのに必要な名前
    • 戸籍等が無くても相応のものが表示される

続いて、未だあやふやなままの「死神の目」ルール。

  • 「死神の目」契約に関し、死神に拒否権はあるか?
  • 同じ死神から二度の「死神の目」契約は可能か?

もし上のルールのいずれかが認められる場合、海砂に憑く死神は、月の計画上「リューク」でしかあり得なかったとも考えられます。

もしも今週、海砂に憑くのがレムだった場合、レム姉さんは海砂の安全を第一に思うので、できる限り目の取引は拒絶したことでしょう。また、レムと海砂の間には以前目の契約をしていることから、ここにルール上の不安を残します。

先週の感想では「死神の監視権を入れ替えた意味」について考察した末、月に憑くレムの必要性と説明しました。よって上の「海砂に憑くリュークの必要性」はもう、ほとんどこじつけです。今更海砂に憑くリュークの必要性を語らずとも、先週時点で監視権の交換は必須だったわけですから。


その他、情報整理

  • Lは月と海砂がいちゃつくと指をくわえる。
  • どういう意味合いの癖だろう。もしや嫉妬?(誰にだ)
  • Lはソフトクリーム食べる時もその持ち方なんだ。
  • 相沢さんはフツーに捜査本部へ復帰。溶け込みすぎだ。
  • レムはしれっと嘘つきまくり。
  • 夜神父は女性に関してどこまでも紳士。
    • 先週言及し忘れましたが、どうやら腕の怪我は平気っぽい。
  • 月にハメられたことを知る。


おまけ
黒月のような表情を浮かべる黒海砂が、たまらなく見たいです。
黒ミサが見たい。
月って実は、読者に隠れてこっそりと「死神の顔」を契約してるのでは? では?


わざわざ先行感想するほど充実した内容でもなかった気がしました…。無駄に文章書きすぎただけだよ。