1442. ポジティブな文化系女子
ネガティブな概念も『純情』の御旗の前には持て囃される時代。勝てば官軍ならぬ、純愛なら官軍です。
ファッション・カルチャー雑誌の商法紹介はさすがに強力です。「萌え」「アキバ系」「ツンデレ」「メガネ男子」「腐女子」様々なネガティブワードがモテ属性へと置換されました。ブームがすぎれば、あまりのイタさに死語と化すのみ。たとえ純愛でも、熱が冷めれば賊軍です。
そして、次なる標的は『文化系女子』です。
今から一月もしないうちに、モテ系芸能人がTVでコメンテイタ気取って、独特の薄ら寒い雰囲気の中『文化系女子』を持ち上げるのでしょう。
文化系女子は日陰に存在してこそ輝く存在。商用絡みの「文化系女子」を売り込む人間は、これを無理にねじ曲げて『モテ系』として紹介する。本来の存在意義を駆逐する勢いだ。ここに歪みというか、矛盾が生じるのは当然のこと。
男性が文化系女子に憧れを抱くのは、彼女たちが恋愛に関して無気力・無感情なカラーにあるからだと思う。裏を返せば、彼女たちの個性は強いけど「純情そう」というイメージは、時に美徳となる。恋愛観や美意識に関しては全くの未完成で、未発達で、無垢で未熟な青い果実。
その傷付きやすい木の実を手の平で撫でながら「真っ赤に熟んだ果実になるまで、僕が優しく丁寧に育ててあげるよ」的イメージの上に、文化系女子という価値があった。と、男性視点から個人的に思ってたんだけど、そうでもないらしい。
以下、騙されてはいけない文化系女子の定義。
【ダ・ウィンチ 4月号のアンケート】
(20項目のうち15項目あてはまると文化系女子)
- 読書が好き
- 映画や美術鑑賞が好き
- 文章を書いたり絵を描いたりものづくりするのが好き
- 日記をつけている(つけていた)
- ひとりでいるのが好き
- 友だちは別にいなくてもいい
- 子どもを産みたくない
- 散歩が好き
- アウトドア・スポーツが苦手
- メガネをかけている(かけていた)
- 流行りものに興味がない (古いものが好き)
- 長生きするより早死にしたい
- 死にたくなったことがある
- 妄想癖がある
- 知らない駅で途中下車したことがある
- 頭のイイ男が好き
- ハリウッドは嫌い
- 季節の中で夏がいちばん苦手
- 10歳以上年上の男とつきあったことがある
- 肌色のストッキングはめったにはかない
人間はカテゴライズする・される指標化がたいへん好きな生き物でして。
人間は考えながら生き歩むので、己が何者か、類似者は誰か、排他勢力は何か、いつも「存在論」を根底に抱いてる。それを推し量る一つの指針が「指数化」による選定法。例えばEQ診断*1や健康診断にこれを用いれば、容易に手短に客観的に自分自身を測定できる。その面の有用性は、理解できます。
しかし上記のように「キャラ付け」を指標化すると、途端怪しげな、インチキめいた雰囲気を帯びるのです。